Filmora(フィモーラ)を使って編集した動画をDVDに保存したいけれど、「なぜかFilmoraでDVDに書き込みできない」「DVDに焼けない」といったトラブルでお悩みではありませんか。特に、大切な結婚式のムービー作成や、Macでの作業中に予期せぬエラーが出ると困ってしまいますよね。また、無料版での利用を考えた際のロゴの問題や、複数枚のDVDを作成する方法、適切な出力形式の選択など、疑問は尽きないものです。さらに、せっかく書き込みに成功しても、再生できない、音飛びがする、あるいは画質が悪いと感じるなど、DVD作成には失敗のリスクが伴います。この記事では、FilmoraでのDVD書き込みに関するあらゆる悩みを解決するため、基本的な手順から画質を最大限に保つコツ、そして頻出するエラーへの具体的な対処法まで、分かりやすく解説していきます。
この記事のポイント
- FilmoraでのDVD書き込みの正しい手順が分かる
- 書き込み失敗や再生エラーの具体的な解決策を学べる
- 画質を落とさずDVDを作成するための設定方法が理解できる
- 結婚式ムービーなど用途別の注意点が把握できる
FilmoraのDVD書き込みの基本と事前準備
- DVDの正しい出力形式とディスクの種類を選ぶ
- Mac版FilmoraでのDVD作成手順
- 無料版でDVD作成は可能?ロゴの有無
- 結婚式ムービーをDVDにする際のポイント
- DVDを複数枚コピーしたい場合の方法
DVDの正しい出力形式とディスクの種類を選ぶ
Filmoraで動画をDVDに書き込む際、最初に行うべき最も重要なステップが、適切な「出力形式」と「ディスクの種類」を選択することです。ここでの設定を間違えてしまうと、DVDプレイヤーで再生できなかったり、動画データが収まりきらなかったりする原因となります。まずは、Filmoraの書き出し設定項目を一つひとつ確認していきましょう。
FilmoraのDVD設定項目
Filmoraの書き出し画面で「DVD」タブを選択すると、以下の項目が表示されます。それぞれの意味を理解し、適切に設定することが成功への第一歩です。
- DVDラベル: PCなどでディスクを読み込んだ際に表示される名前です。後から変更できないため、「Wedding_Movie」など分かりやすい名前を付けましょう。
- アスペクト比: 動画の縦横比です。現在の主流は「16:9」ですが、上映する会場のスクリーンによっては「4:3」が指定される場合もあります。
- テレビ規格: 日本国内では「NTSC」が標準規格です。基本的には初期設定のままで問題ありません。
- ビデオ画質: 「最高品質」「高品質」「標準品質」から選べます。画質が高いほどデータ容量は大きくなりますが、可能な限り「最高品質」を選ぶことをおすすめします。
次に、書き込みに使用する物理的なDVDディスクの種類を選びます。ディスクにはそれぞれ特徴があり、用途によって使い分けることが大切です。
DVDディスクの種類と特徴
DVDディスクは、書き込み回数や容量によっていくつかの種類に分かれます。以下の表を参考に、ご自身の目的に合ったものを選んでください。
ディスクの種類 | 容量 | 書き込み回数 | 主な特徴と用途 |
---|---|---|---|
DVD-R | 4.7GB (D5) | 1回のみ | 最も一般的で互換性が高い。長期保存や配布用(結婚式ムービーなど)に向いています。 |
DVD-R DL | 8.5GB (D9) | 1回のみ | DVD-Rの約2倍の容量を持つ片面2層式。長尺や高画質な動画の保存に適しています。 |
DVD-RW | 4.7GB (D5) | 約1,000回 | 繰り返し書き換えが可能。一時的なデータの受け渡しや、テスト書き込み用として便利です。 |
D5とD9の違いについて
ディスクの種類で出てくる「D5」は片面1層(約4.7GB)、「D9」は片面2層(約8.5GB)を指します。Filmoraの書き出し設定にも「ディスクの種類」としてこの選択項目があり、使用するディスクの容量に合わせて設定する必要があります。
これらの設定とディスクの知識を基に、まずはご自身の作成した動画のデータサイズと用途を照らし合わせ、最適な組み合わせを見つけることから始めましょう。
Mac版FilmoraでのDVD作成手順
Macユーザーの方でも、Filmoraを使えばWindows版とほぼ同様の簡単な手順でDVDを作成することが可能です。インターフェースや基本的な操作性に大きな違いはないため、戸惑うことは少ないでしょう。ただし、MacのOSやハードウェア環境に起因する注意点もいくつか存在します。
基本的な書き込み手順(Mac版)
基本的な流れは、Windows版と全く同じです。
- 動画編集完了後、画面上部の「エクスポート」ボタンをクリックします。
- 表示されたウィンドウの上部にある「DVD」タブを選択します。
- 「DVDラベル」「アスペクト比」「テレビ規格」などの設定項目を、前の見出しで解説した内容に沿って設定します。
- 空のDVDディスクをMacのドライブに挿入します。
- すべての設定が完了したら、右下の「エクスポート」ボタンをクリックして書き込みを開始します。
Macのドライブに関する注意点
近年のMacBookシリーズには、標準でDVDドライブが搭載されていないモデルが多くなっています。その場合、Apple純正の「USB SuperDrive」や、サードパーティ製の外付けDVDドライブを別途用意する必要があります。ドライブがないと物理的なDVD作成はできないため、事前にご自身のMacの仕様を確認しておきましょう。
Mac版特有のトラブルと対処法
基本操作は同じですが、Mac環境でまれに発生する問題として、アクセス権の問題が挙げられます。もし書き込みエラーが頻発するようなら、以下の点を確認してみてください。
- セキュリティとプライバシー設定: 「システム設定」内の「セキュリティとプライバシー」で、Filmoraがファイルやフォルダにアクセスする権限を持っているか確認します。
- ディスクユーティリティ: 原因不明のエラーが続く場合、Macに標準搭載されている「ディスクユーティリティ」で、アクセス権の修復を試してみるのも一つの方法です。
私もMacユーザーですが、基本的には外付けドライブさえあれば、Windowsとの違いを意識することなくスムーズにDVDを作成できています。もしもの時のために、アクセス権の確認方法だけ覚えておくと安心ですよ。
このように、Mac版Filmoraでも特別な知識は不要で、直感的にDVD作成を進めることができます。ハードウェアの準備さえ整えれば、誰でも手軽に映像作品をディスクに残すことが可能です。
無料版でDVD作成は可能?ロゴの有無
Filmoraには有料版の全機能を試せる無料体験版が用意されており、これを使ってDVDを作成することも機能的には可能です。しかし、そこには非常に大きな注意点が存在します。それは、完成したDVDの映像内にFilmoraのロゴ(ウォーターマーク)が大きく表示されてしまうことです。
無料版のロゴ(ウォーターマーク)について
無料版を使って動画をエクスポート、またはDVDに書き込むと、プロジェクト全体にFilmoraのロゴが半透明で重ねて表示されます。このロゴは動画の中央部分に大きく表示されるため、個人的な試聴以外の目的、特に以下のような用途には全く向いていません。
- 結婚式やイベントで上映するムービー
- 友人や知人へのプレゼント
- 作品として保存しておきたい映像
ロゴは後から消せません
一度、無料版でロゴが入った状態でDVDを作成してしまうと、そのDVDからロゴだけを消すことは不可能です。大切な動画の場合は、必ず有料版で書き込みを行うようにしてください。
ロゴを消してDVDを作成する方法
FilmoraのロゴなしでクリーンなDVDを作成するには、有料ライセンスの購入が唯一の方法となります。Filmoraでは、編集プロジェクトを保存しておけば、無料版で作成したプロジェクトを有料版にアップグレードした後に再度開いて、ロゴなしでエクスポート(DVD書き込み)することが可能です。
おすすめの手順
- まずは無料版をダウンロードし、DVD作成を含む全ての編集機能を心ゆくまで試します。
- 操作感や機能に納得できたら、有料版ライセンスを購入します。
- Filmoraを再起動し、有料アカウントでログインします。
- 保存しておいたプロジェクトファイルを開き、ロゴが表示されないことを確認してからDVDへの書き込みを実行します。
「無料」という言葉は魅力的ですが、大切な思い出の映像に企業のロゴが入ってしまうのは避けたいですよね。Filmoraは買い切りプランも用意されているので、まずは無料版でじっくり試してみて、本格的に使いたいと思ったら有料版を検討するのが最も賢い選択と言えるでしょう。
結論として、無料版でのDVD作成はあくまで「お試し」と割り切り、完成品としてDVDを残したい場合は有料版へのアップグレードが必須であると理解しておきましょう。
結婚式ムービーをDVDにする際のポイント
結婚式のプロフィールムービーやオープニングムービーを自作し、FilmoraでDVDに書き込む際には、一般的な動画作成とは異なるいくつかの特別な注意点があります。これらのポイントを見落とすと、式場での再生トラブルや、ゲストが見づらいといった事態に繋がりかねません。最高の思い出を最高の形で上映するために、以下の項目を必ずチェックしてください。
式場への事前確認が最重要
何よりも先に、ムービーを上映する結婚式場やホテルに、再生環境の仕様を詳しく確認することが不可欠です。確認すべき主な項目は以下の通りです。
- アスペクト比(画面の縦横比): 現在は「16:9」が主流ですが、式場のプロジェクターやスクリーンが古い場合、「4:3」を指定されることがあります。間違った比率で作成すると、映像が引き伸ばされたり、左右に黒帯が入ったりしてしまいます。
- ディスクの種類: 一般的には「DVD-R」での納品を推奨されます。繰り返し書き込めるDVD-RWなどは、プレイヤーとの互換性の問題から敬遠されることが多いです。
- ファイナライズ処理の要否: 作成したDVDを他の機器で再生可能にするための最終処理です。多くの場合はファイナライズ済みのディスクを求められます。Filmoraは通常、書き込み時に自動でこの処理を行いますが、念のため確認しておくと安心です。
映像内容に関する注意点
式場での上映を考慮した、映像編集上のポイントもあります。
結婚式ムービー編集のチェックリスト
- 本編前後の無音・黒画面: ムービー本編の開始前と終了後に、それぞれ5秒程度の無音の黒い画面を挿入するのがマナーです。これにより、再生オペレーターがタイミングを合わせやすくなります。
- セーフティゾーンを意識したテロップ配置: テロップや写真の重要な部分が、画面の端ギリギリに配置されていると、プロジェクターによっては見切れてしまう可能性があります。画面の内側(セーフティゾーン)に収まるようにレイアウトしましょう。
- BGMの著作権処理: 市販の楽曲を使用する場合、著作権の処理が必須です。個人で手続きするのは非常に複雑なため、ISUM(アイサム)という管理団体を通じて式場や制作業者経由で申請するのが一般的です。著作権フリーの音源を使用するのも一つの手です。
1枚のDVDに1つのムービー
オープニングムービーとプロフィールムービーなど、複数のムービーを作成した場合、原則として1枚のDVDには1つのムービーだけを書き込みます。1枚のディスクに複数入れると、頭出しなどの操作でトラブルが発生する可能性があるため、必ず別々のDVDに分けて作成しましょう。
これらのポイントを一つひとつ確実にクリアすることで、当日の上映トラブルを防ぎ、ゲスト全員に感動を届ける素敵なムービーを完成させることができます。
DVDを複数枚コピーしたい場合の方法
結婚式の記念品として両親や友人に配布したり、作品のバックアップを取っておいたりするために、作成したDVDを複数枚コピー(複製)したいというケースはよくあります。しかし、ここで注意が必要なのは、Filmora自体にはDVDからDVDへ直接コピーする機能(デュプリケーション機能)は搭載されていないという点です。
Filmoraはあくまで「動画プロジェクトをDVDに書き込む」ためのソフトであり、完成したDVDを複製する作業は、別の方法で行う必要があります。主な方法は2つあります。
方法1:Filmoraで再度書き込みを行う
最もシンプルで確実な方法は、Filmoraに保存されている元のプロジェクトファイルから、新しい空のDVDディスクに一枚ずつ再度書き込み作業を行うことです。この方法であれば、画質の劣化もなく、元データと全く同じ品質のDVDを複数枚作成できます。
手順
- FilmoraでDVDの元となったプロジェクトファイルを開きます。
- 新しい空のDVD-Rなどをドライブにセットします。
- 「エクスポート」→「DVD」と進み、前回と同じ設定で書き込みを実行します。
- 必要な枚数分、この作業を繰り返します。
手間はかかりますが、特別なソフトも不要で、最も安全な方法と言えるでしょう。
方法2:ディスクコピー用の専用ソフトウェアを利用する
もし大量の枚数をコピーしたい場合や、手元に元のプロジェクトファイルがない場合は、市販または無料のDVDコピー専用ソフトウェアを利用する方法があります。
DVDコピーソフトの仕組み
これらのソフトは、一度DVDの内容をまるごとパソコン上に「ISOイメージファイル」という形式で保存し、そのイメージファイルを使って新しい空のDVDにデータを書き込む、という流れが一般的です。Wondershare社からも「DVD Memory」という書き込みに特化したソフトが提供されています。
ただし、この方法には注意点があります。
著作権に関する重要事項
市販の映画DVDなど、コピーガード(CSSなど)で保護されているディスクを複製する行為は法律で禁止されています。DVDコピーソフトを使用する際は、必ずご自身で作成した、著作権上の問題がないオリジナル映像のバックアップ目的に限定してください。
結論として、数枚程度のコピーであればFilmoraで再度書き込むのが手軽でおすすめです。大量の複製が必要な場合にのみ、著作権法を遵守した上で専用ソフトの利用を検討するのが良いでしょう。
FilmoraでDVDの書き込みがうまくいかない時の解決策
- FilmoraでDVDに焼けない・書き込みできない原因
- DVD作成に失敗しないためのチェック項目
- FilmoraのDVDは画質が悪い?原因と対策
- DVDが再生できない・音飛びする時の対処法
FilmoraでDVDに焼けない・書き込みできない原因
「エクスポートボタンを押したのに、エラーが出て書き込みが始まらない」「途中で処理が止まってしまう」など、FilmoraでDVDに焼けない・書き込みできないトラブルには、いくつかの原因が考えられます。問題解決のためには、原因を一つずつ切り分けて特定していくことが重要です。
主な原因は、ソフトウェアの問題、PC環境の問題、そして物理的なメディアの問題の3つに大別できます。
ソフトウェアに起因する原因
- Filmoraのバージョンが古い: 古いバージョンのままだと、OSとの互換性の問題や、解決済みのバグが原因でエラーが起きることがあります。まずはFilmoraを最新版にアップデートしてみましょう。
- エンコードモードの問題: DVD設定にある「ビットレートモード」の選択が、PC環境と合っていない可能性があります。初期設定の「CBR」でうまくいかない場合は「VBR」に切り替えて試す、あるいはその逆を試してみると解決することがあります。
PC環境に起因する原因
- PCのスペック不足: 動画の書き出し(エンコード)は、PCに非常に高い負荷をかける作業です。特にメモリ(RAM)やCPUの性能が低いと、処理が追いつかずにエラーが発生しやすくなります。
- ハードディスクの空き容量不足: DVDへの書き込み作業中は、PC内にも一時的な作業ファイルが生成されます。ハードディスク(特にCドライブ)の空き容量が不足していると、これが原因で処理が失敗します。不要なファイルを削除し、十分な空き容量を確保してください。
- 他のソフトウェアの干渉: Filmoraで書き込み中に、他の重いアプリケーション(ゲームや他の動画ソフトなど)を起動していると、リソースの競合が起きて不安定になることがあります。書き込み中は他のソフトを終了させましょう。
物理メディア・ドライブに起因する原因
- DVDディスクの品質: 安価すぎる海外製のDVDディスクなどは、品質にばらつきがあり、書き込みエラーの原因になりがちです。信頼できる国内メーカーのディスクに変えてみるだけで、あっさり解決するケースは少なくありません。
- DVDドライブの不調: ドライブのレンズ汚れや経年劣化も、書き込み失敗の一因です。レンズクリーナーを試したり、可能であれば別のPCや外付けドライブで試したりすることで、ドライブが原因かどうかを切り分けることができます。
私の経験上、意外と多いのが「DVDディスクの品質」が原因のトラブルです。何度やってもエラーが出るときは、まずディスクを別のメーカーのものに変えてみることを強くおすすめします。
これらの原因を一つずつ確認・対処することで、多くの書き込みエラーは解決に向かうはずです。慌てずに、簡単なところからチェックしてみてください。
DVD作成に失敗しないためのチェック項目
FilmoraでのDVD作成は、いくつかのポイントを事前に確認しておくだけで、失敗の確率を大幅に減らすことができます。書き込みボタンを押す前に、以下のチェックリストを使って最終確認を行う習慣をつけましょう。これは、時間とディスクの無駄を防ぐための重要なステップです。
書き込み前の最終チェックリスト
- プロジェクトの最終プレビューは行いましたか?
編集画面で、必ず動画の最初から最後まで通しで再生し、誤字脱字、映像や音声のズレ、不要なクリップの混入がないかを確認します。特にテロップのミスは完成後に気づきやすいので念入りにチェックしましょう。 - PCの空き容量は十分にありますか?
動画ファイルサイズ以上の空き容量が、PCのハードディスク(Cドライブ)にあることを確認します。容量がギリギリだと、書き込みプロセスが不安定になる原因となります。 - FilmoraとPCの再起動は試しましたか?
長時間PCやFilmoraを起動したままだと、メモリ上に不要なデータが溜まり、動作が不安定になることがあります。一度、両方を再起動してから書き込み作業を行うと、原因不明のエラーを防げる場合があります。 - DVDの設定項目は適切ですか?
「アスペクト比」「テレビ規格(NTSC)」など、基本的な設定項目が、再生環境の要件と一致しているかを再確認します。特に結婚式ムービーの場合は、式場への確認が必須です。 - ディスクの種類と容量は合っていますか?
Filmoraの「ディスクの種類」設定(D5/D9)と、実際にドライブに挿入したDVDディスクの種類が一致しているかを確認します。動画の合計サイズがディスクの容量を超えていないかも重要です。
特に見落としがちなのが、最終プレビューです。編集作業に集中していると、細かいミスに気づかないことがあります。一度休憩を挟んで、新鮮な気持ちで全体を見直すのがおすすめです。このひと手間で、完成後の「しまった!」を防げますよ。
これらの項目を指差し確認するような気持ちでチェックすることで、ケアレスミスによる失敗を未然に防ぎ、スムーズなDVD作成を実現することができます。急いでいる時ほど、この基本に立ち返ることが大切です。
FilmoraのDVDは画質が悪い?原因と対策
「Filmoraで編集した時はキレイだったのに、DVDに焼いたら画質が悪くなった」という声は、非常によく聞かれる悩みの一つです。しかし、これは多くの場合、Filmoraのソフト自体の問題ではなく、DVDというメディアが持つ規格上の限界が原因です。
この仕組みを理解することで、画質の劣化にがっかりすることなく、DVDとして可能な限り最良の状態で映像を残すための対策を講じることができます。
画質が悪く見える最大の理由:解像度の違い
皆さんが普段PCやスマートフォンで見ている動画の多くは、フルHD(1920×1080ピクセル)や4K(3840×2160ピクセル)といった高解像度です。一方で、私たちが作成するDVDビデオの規格上の解像度は、SD(720×480ピクセル)しかありません。
画素数の比較
- フルHD: 約207万画素
- DVD (SD): 約35万画素
このように、DVDの画素数はフルHDの約6分の1しかありません。高解像度の映像をDVDに書き込むということは、データをこの低い解像度に圧縮(ダウンコンバート)することを意味します。そのため、元映像がどれだけ高画質でも、DVDになった時点で画質が粗く見えてしまうのは避けられない現象なのです。
Filmora側でできる画質対策
DVD規格の限界があるとはいえ、書き出し設定を工夫することで、劣化を最小限に抑えることは可能です。
対策1:ビデオ画質を「最高品質」に設定する
FilmoraのDVD書き出し設定にある「ビデオ画質」の項目を、必ず「最高品質」に設定しましょう。これにより、映像を圧縮する際のビットレート(1秒間あたりのデータ量)が高く割り当てられ、SD画質の範囲内で最も精細な映像を記録しようとします。データ容量は大きくなりますが、画質を優先するなら必須の設定です。
対策2:適切なディスク容量を選ぶ
長い動画を無理やり容量の少ないディスク(DVD-R 4.7GB)に収めようとすると、ビットレートが低くならざるを得ず、画質が著しく低下します。動画の収録時間に応じて、片面2層のディスク(DVD-R DL 8.5GB)を使用するなど、余裕を持ったディスク選びも画質維持に繋がります。
「画質が悪い」と感じるのは、普段私たちがいかに高精細な映像に慣れているかの裏返しでもありますね。ブルーレイディスクであればHD画質のまま記録できますが、再生環境が限られます。配布用としては、まだまだDVDの互換性は魅力的です。規格の限界を理解した上で、最善の設定を探ることが大切です。
以上の点から、Filmoraで作成したDVDの画質が粗く見えるのは、ある程度仕方のないことと理解し、その中で最善を尽くす設定を行う、というスタンスが重要になります。
DVDが再生できない・音飛びする時の対処法
無事にDVDへの書き込みが完了したにもかかわらず、「家のDVDプレイヤーで再生できない」「再生はされるけれど、映像がカクカクしたり、音飛びしたりする」といった再生時のトラブルも少なくありません。これらの問題は、ディスクとプレイヤーの相性、または書き込みデータの不具合が主な原因です。
原因ごとに、考えられる対処法を見ていきましょう。
ケース1:特定のプレイヤーでのみ再生できない
PCでは再生できるのに、家庭用の特定のDVDプレイヤーでだけ再生できない場合、プレイヤーとディスクの互換性(相性)が問題である可能性が高いです。
- プレイヤーの古さ: あまりに古いDVDプレイヤーだと、ご自身で作成したDVD-Rなどのディスクに対応していない場合があります。
- ディスクメーカーとの相性: DVDプレイヤーには、特定のメーカーのディスクを読み込みにくい、という相性問題が存在することがあります。別のメーカーのディスクで再度作成してみると、再生できることがあります。
- ファイナライズ処理: 作成したDVDを他の機器で再生可能にする「ファイナライズ」という処理が、何らかの理由で正常に完了していない可能性も考えられます。
DVD-RWや+RWは互換性が低い
繰り返し書き込めるDVD-RWやDVD+RW形式のディスクは、DVD-Rに比べて再生互換性が劣ります。配布用や長期保存用の場合は、最も互換性の高いDVD-Rで作成するのが基本です。
ケース2:どのプレイヤーでも映像や音声に異常がある
どのプレイヤーで再生しても映像がカクカクしたり、音飛びや音割れが発生したりする場合は、DVDに書き込まれたデータ自体に問題があると考えられます。
データ異常の主な原因と対処法
- 書き込み速度の問題: DVDドライブの書き込み速度が速すぎると、データの記録が不安定になり、再生エラーの原因となることがあります。もし書き込み速度を設定できるソフトであれば、低速(4xなど)で書き込み直すと安定する場合があります。
- 元の音声ファイルの問題: Filmoraの編集プロジェクト上で、音声ファイルが破損していたり、ボリュームを上げすぎて音割れ(クリッピング)していたりする可能性も考えられます。編集画面で音声を再生し、異常がないか確認後、ボリュームを少し下げて書き込み直してみてください。
- PCの処理能力不足: 書き込み中のPCへの負荷が高すぎたために、データが正常に生成されなかったケースです。「FilmoraでDVDに焼けない・書き込みできない原因」で解説したPC環境の見直しを行い、再度書き込みを試します。
再生トラブルは原因の切り分けが難しいですが、まずは「別のメーカーの新しいDVD-Rで、もう一度書き込んでみる」のが、最も簡単で効果的な第一歩です。これで解決しない場合に、他の原因を探っていくのが効率的ですよ。
これらの対処法を試すことで、多くの再生トラブルは解決できるはずです。安定した再生を目指し、一つずつ原因を潰していきましょう。
FilmoraでDVD書き込みを成功させるための総括
- FilmoraでのDVD作成はエクスポート画面から簡単に行える
- 最初にDVDラベルやアスペクト比、テレビ規格を設定する
- 配布用ディスクは最も互換性の高いDVD-Rが推奨される
- Macで作成する場合は外付けDVDドライブが必要なことがある
- 無料版で作成したDVDには大きなロゴが入るため注意が必要
- ロゴを消すには有料版ライセンスの購入が必須である
- 結婚式ムービーは式場指定のアスペクト比や形式を必ず確認する
- 本編の前後に5秒程度の黒画面を入れるのが上映マナー
- BGMの著作権処理はISUMなどを通じて適切に行う
- 書き込み失敗の原因はPCスペック、空き容量、ディスク品質など多岐にわたる
- 書き込み前にはFilmoraとPCを再起動すると安定しやすい
- DVDの画質が粗く見えるのはSD画質という規格上の限界が主な理由
- 書き出し設定でビデオ画質を最高品質にすることで劣化を最小限に抑えられる
- 再生できない場合はディスクとプレイヤーの相性問題も考えられる
- 音飛びやカクつきは書き込みエラーの可能性が高いため再作成を試す