Googleフォトの便利な自動グルーピング機能ですが、「思うように写真がまとまらない」「この写真だけグループから外したい」と感じたことはありませんか。Googleフォトのグルーピングを手動で操作したい、具体的なやり方が知りたいという方は多いのではないでしょうか。類似写真のグルーピング追加や、意図しない重複を整理するためのグルーピング解除、さらにはそもそもグルーピングがいらないので全部解除したい、といったニーズもあるでしょう。特に、Googleフォトで人物を手動追加できるのか、iPhoneでのグルーピング解除はどうするのか、といった具体的な疑問は尽きません。この記事では、AIによる重複の検出と写真整理の仕組みから、最新の手動設定方法まで、あなたの悩みを解決する情報を網羅的に解説します。
この記事のポイント
- 類似写真のグルーピング(フォトスタック)の手動での作り方と解除方法
- 人物グルーピングの仕組みと手動でのタグ付けで出来ること・出来ないこと
- 不要なグルーピングを解除するための具体的な設定手順
- 写真の重複を防ぎ、ライブラリをすっきりと整理するためのヒント
Googleフォトでグルーピングの手動操作と基本機能
- Googleフォトのグルーピング機能のやり方
- iOS版で可能になったグルーピングの追加
- 類似写真のグルーピングと重複検出の仕組み
- Googleフォトで写真整理と重複を防ぐコツ
- Googleフォトのグルーピングがいらない時の対処法
- 特定の写真のグルーピングを解除する方法
Googleフォトのグルーピング機能のやり方
Googleフォトにおける「グルーピング」とは、写真ライブラリを整理しやすくするための便利な機能ですが、実は目的の異なる2つの機能が存在します。この違いを理解することが、手動での操作を使いこなす第一歩となります。
一つは「フォトスタック(Photo Stacks)」または「類似した写真のグルーピング」と呼ばれる機能です。これは、連写した写真や撮影日時が近いよく似た写真をAIが自動で検出し、一つの束(スタック)にまとめてくれるものです。これにより、同じような写真が何枚も並ぶのを防ぎ、フォトビューをすっきりと見せることができます。
もう一つは「フェイスグルーピング(Face Grouping)」または「人物とペット」機能です。こちらは、写真に写っている人物やペットの顔をAIが認識し、同じ人物やペットごとに自動でグループ分けしてくれます。これにより、「特定の人物が写っている写真だけを見たい」といった場合に、簡単に写真を探し出すことが可能になります。
これらの機能は、多くの場合、Googleフォトの初期設定で有効になっていますが、以下の表のように目的や操作方法が異なります。
機能名 |
目的 |
主な手動操作 |
設定確認場所 |
フォトスタック |
似たような写真(風景、物など)を束ねてフォトビューを整理する |
・手動でスタックを作成 |
フォトビュー右上のメニュー(…) > 「類似した写真をグルーピング」 |
フェイスグルーピング |
人物やペットごとに写真を自動分類し、検索しやすくする |
・人物に名前を付ける(ラベル付け) |
フォトの設定 > プライバシー > フェイス グループ |
このように、単に「グルーピング」と言っても、対象が「類似した写真」なのか「人物」なのかによって、出来ることが大きく変わってきます。ご自身の目的に合わせて、どちらの機能を操作したいのかをまず明確にすることが大切です。
iOS版で可能になったグルーピングの追加
これまで、類似した写真をまとめる「フォトスタック」機能は、GoogleのAIによる自動分類に依存していました。しかし、ユーザーからの要望に応える形で、手動で写真を選択してグループに追加する機能が提供され始めています。
この便利な機能は、まずiOS版のGoogleフォトアプリ(バージョン7.29以降)で先行して実装されました。これにより、iPhoneやiPadユーザーは、AIが見逃してしまった類似写真や、テーマごとに自分でまとめたい写真などを、意図的にスタックとして作成できるようになりました。
手動でのスタック作成手順(iOS)
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Googleフォトアプリを開き、まとめたい写真を複数長押しして選択します。
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画面下部に表示されるメニューの中から、「Stack photos(写真をスタックする)」という新しいオプションをタップします。
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これだけで、選択した写真が新しいスタックとしてグループ化されます。
一方、Android版については、以前から開発コード内で手動グルーピングに関する記述が確認されていましたが、長らく正式リリースには至っていませんでした。しかし、最近になってAndroidユーザーにもこの手動スタック機能が段階的に展開され始めているようです。まだ全てのユーザーが利用できるわけではありませんが、今後のアップデートで利用可能になることが期待されます。
この手動追加機能は、AIの自動分類を補完する非常に強力なツールです。例えば、旅行先で撮影した風景写真と食事の写真を、AIが同じグループにしてしまった場合に、手動でそれぞれを別のスタックに分け直すといった、より細やかな写真管理が実現します。
類似写真のグルーピングと重複検出の仕組み
Googleフォトの「類似した写真のグルーピング(フォトスタック)」機能は、単なる「重複検出」とは少し異なります。この仕組みを理解することで、なぜ特定の写真がグループ化されるのか、あるいはされないのかが分かりやすくなります。
この機能の目的は、完全に同一のファイルを検出して削除することではなく、人間の目から見て「非常によく似ている」写真を一つに束ね、ライブラリを見やすくすることにあります。AIは、主に以下の情報を基に類似性を判断していると考えられます。
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撮影日時の近さ: ごく短時間に連続して撮影された写真は、類似している可能性が高いと判断されます。連写(バーストモード)で撮影した写真が典型例です。
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被写体や構図の類似性: 写真に写っている物体の配置、色、背景などが酷似している場合、類似写真と見なされます。
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位置情報: 同じ場所で撮影された写真も、判断材料の一つになっている可能性があります。
そのため、ファイル名や解像度が完全に一致する「重複ファイル」だけでなく、少しだけアングルが違う写真や、表情がわずかに異なるポートレートなども「類似写真」としてグループ化されることがあります。
これはメリットである一方、デメリットにもなり得ます。例えば、微妙な違いが重要な写真(商品の比較写真など)までグループ化されてしまい、一覧から見つけにくくなる可能性もあります。
フォトスタック機能は、あくまでライブラリの見た目を整理するための補助的な機能であり、ストレージ容量を節約するための重複ファイル削除ツールとは異なる、という点を念頭に置いておくと良いでしょう。
Googleフォトで写真整理と重複を防ぐコツ
Googleフォトのグルーピング機能は強力な整理ツールですが、より快適にライブラリを管理するためには、いくつかのコツがあります。機能を最大限に活用し、意図しない重複感から解放されるための方法を紹介します。
まず大切なのは、定期的に「トップピック」を見直すことです。フォトスタックでは、グループを代表する一枚が「トップピック」として表示されます。AIが選んだものが必ずしもベストショットとは限りません。スタックを開き、自分で最も気に入っている写真をトップピックに設定し直すだけで、ライブラリの満足度が向上します。
次に、不要なショットを積極的に削除する習慣も効果的です。特に連写した写真などは、スタック内で見比べ、「これぞ」という一枚以外は削除することで、ストレージの節約にも繋がります。スタック内のグリッド表示から「これを残して残りを削除」といった便利な機能も活用できます。
また、グルーピング機能だけに頼らず、アルバム機能を併用することも整理の鍵となります。「旅行」や「家族イベント」といったテーマでアルバムを作成し、関連する写真を(スタックごとでも)追加していくことで、後から写真を探す際の時間軸以外の検索軸が生まれます。
さらに、Googleフォトには「ストレージを管理」という便利な機能があります。ここでは、サイズの大きい写真や動画、不鮮明な写真、スクリーンショットなどを自動でリストアップしてくれます。これらを定期的に確認し、不要なものを削除することで、ライブラリ全体の質を高め、重複感を減らすことが可能です。
Googleフォトのグルーピングがいらない時の対処法
Googleフォトの自動グルーピングは便利な反面、「自分の意図通りに写真を並べたい」「AIに勝手にまとめられたくない」と感じる方もいるでしょう。もしグルーピング機能が不要だと感じた場合、いくつかの対処法があります。
一つ目の方法は、機能自体を完全にオフにすることです。これは、類似した写真をまとめる「フォトスタック」と、人物をまとめる「フェイスグルーピング」の両方で可能です。
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フォトスタックをオフにする: フォトビューの右上にあるメニュー(…)から「類似した写真をグルーピング」のトグルをオフにします。
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フェイスグルーピングをオフにする: フォトの設定から「プライバシー」へ進み、「フェイス グループ」のトグルをオフにします。
この方法のメリットは、全ての写真が個別に時系列で表示されるため、ライブラリの表示方法がシンプルで予測可能になる点です。一方で、デメリットとして、特に連写した写真などが多い場合、ライブラリが似たような画像で溢れかえり、かえって見づらくなる可能性があります。また、フェイスグルーピングをオフにすると、人物での検索ができなくなるため注意が必要です。
二つ目の方法は、機能はオンにしたまま、不要なグループだけを個別に解除(アンスススタック)する方法です。AIの分類は便利だと感じつつも、特定のグループだけは個別に表示したい場合に適しています。この方法なら、グルーピング機能の恩恵を受けつつ、気になるところだけを自分の手で修正できます。
どちらの方法が良いかは個人の好みや写真の管理スタイルによります。まずは個別に解除する方法を試し、それでも煩わしいと感じるようであれば、機能全体のオフを検討するのが良いかもしれません。
特定の写真のグルーピングを解除する方法
「このグループは便利だけど、この一枚だけは別に表示したい」あるいは「このグループ分けは意図と違うので解除したい」という場面はよくあります。Googleフォトでは、スタック(グループ)全体を解除したり、特定の写真だけをグループから外したりすることが簡単にできます。
スタック全体を解除(アンスススタック)する
AIによって作成された写真の束を、元の個別の写真に戻したい場合はこの操作を行います。
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解除したいフォトスタックを長押しします。
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画面下部に表示されるメニューから「写真のグルーピングを解除(Unstack photos)」をタップします。
この操作により、スタックは解消され、含まれていた全ての写真がフォトビューに個別に表示されるようになります。
特定の写真をスタックから削除する
スタック自体は維持しつつ、中の一部の写真だけを独立させたい場合は、以下の手順で操作します。
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対象のフォトスタックをタップして開きます。
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画面下部のフィルムストリップ、またはグリッド表示アイコンをタップして、スタック内の全写真を表示させます。
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グループから外したい写真を長押しして選択します(複数選択も可能)。
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画面上部(またはメニュー内)の「グルーピングから削除(Remove from stack)」をタップします。
これにより、選択した写真だけがスタックから外れて個別に表示され、残りの写真はスタックされたまま維持されます。この方法は、AIの分類を微調整したい場合に非常に役立ちます。例えば、似ているけれどテーマが違う写真が紛れ込んでしまった際に、その写真だけをスタックから外すといった使い方が考えられます。
Googleフォトで人物グルーピングを手動で行う際の注意点
- Googleフォトの人物を手動追加できるのか?
- iPhoneでのグルーピング解除の方法
- フェイスグルーピングを全部解除する手順
Googleフォトの人物を手動追加できるのか?
Googleフォトの「人物」に関する手動操作で、多くのユーザーが最も知りたいのは「顔が写っていない写真や、AIが認識しなかった写真を、特定の人物のグループに手動で追加できるのか?」という点でしょう。
この問いに対する現状の答えは、「直接的にはできない」となります。例えば、友人の後ろ姿が写ったお気に入りの写真を、その友人の人物グループに手動でドラッグ&ドロップして追加する、といった直接的な機能は提供されていません。人物のグルーピングは、あくまでGoogleのAIが写真内から「顔」を検出し、その顔が誰であるかを判断する仕組みに基づいているためです。
しかし、「手動で出来ること」も存在します。それは、AIが顔として検出したものの、まだ誰の顔か特定できていない写真に「ラベル(名前)」を付ける作業です。
手動での顔タグ付けの手順
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写真を開き、画面を上にスワイプするか、右上のメニュー(…)をタップして詳細情報を表示します。
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「人物」のセクションに、検出された顔のサムネイルが表示されます。まだ名前がついていない顔には鉛筆マークが付いています。
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鉛筆マークをタップすると、その顔に名前を付けたり、既存の人物グループと紐付けたりすることができます。
この操作は、あくまでAIが「顔」と認識したものが対象です。したがって、横顔や不鮮明な写真でAIが顔を検出しなかった場合や、後ろ姿のように顔が全く写っていない場合は、この「人物」セクションにサムネイル自体が表示されず、手動でタグを追加する起点も存在しないことになります。
要するに、AIの顔検出を手助けする形での手動の紐付けは可能ですが、AIが顔を検出しなかった写真を無理やり人物グループに追加することはできない、と理解しておくのが正確です。
iPhoneでのグルーピング解除の方法
前述の通り、「グルーピング解除」には二つの意味合いがあります。ここでは、iPhoneを使って「人物のグルーピング(フェイスグルーピング)」機能自体をオフにする方法について解説します。この設定を行うと、人物やペットごとの自動分類が停止され、「検索」タブの「人物とペット」の項目が表示されなくなります。
人物の自動分類が不要だと感じる場合や、プライバシーの観点から顔認識機能を停止したい場合にこの操作を行います。
iPhoneでのフェイスグルーピング停止手順
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iPhoneでGoogleフォトアプリを開きます。
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画面右上にある自分のアカウントのプロフィール写真またはイニシャルが書かれたアイコンをタップします。
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表示されたメニューの中から「フォトの設定」を選択します。
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設定項目の中から「プライバシー」をタップします。
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最上部に表示される「フェイス グループ」という項目を見つけ、その右側にあるトグルスイッチをタップしてオフ(白色)にします。
この設定をオフにすると、既存のフェイスグループ、顔モデル、作成したラベルがアカウントから削除される、という警告が表示される場合があります。機能を停止すると、これまで蓄積された顔認識データがリセットされる可能性があるため、その点を理解した上で操作を行う必要があります。
なお、ペットの写真だけをグルーピング対象から外したい場合は、「フェイス グループ」の設定画面内にある「人物とともにペットを表示」のトグルスイッチのみをオフにすることも可能です。
フェイスグルーピングを全部解除する手順
「フェイスグルーピングを全部解除したい」という場合、それは「人物やペットごとの自動分類機能を完全に停止する」ことを指します。この操作を行うと、Googleフォトが自動で作成した全ての人物グループが表示されなくなり、人物名での検索もできなくなります。
この手順は、基本的に前述のiPhoneでの解除方法と同じ流れですが、Androidでも同様の操作が可能です。デバイスを問わず、Googleフォトの設定から機能をオフにすることで「全部解除」が実現します。
フェイスグルーピング停止の一般的な手順
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Googleフォトアプリを開き、右上のプロフィールアイコンをタップします。
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「フォトの設定」に進みます。
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「プライバシー」または「類似した顔をグループ化」といった項目を選択します。(メニューの名称はアプリのバージョンにより若干異なる場合があります)
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「フェイス グループ」または「フェイス グルーピング」という機能のトグルスイッチをオフにします。
機能停止の際の重要な注意点
この機能を一度オフにすると、Googleはアカウントから顔モデルなどのデータを削除します。そのため、後で再び機能をオンにした場合、ゼロから顔の再スキャンとグルーピングが始まることになります。これまで手動で修正したラベルや、細かく分類したグループ分けが全てリセットされてしまうため、この操作は慎重に行う必要があります。
「特定の人物のグループだけを非表示にしたい」という場合は、機能をオフにするのではなく、「人物とペット」の画面で非表示にしたい人物のグループを長押しし、メニューから「人物を非表示」を選択する方法が適しています。これなら、他の人物のグループは維持したまま、気になるグループだけを見えなくすることができます。
Googleフォトのグルーピング手動操作を総括
- Googleフォトのグルーピングには類似写真をまとめる「フォトスタック」と人物をまとめる「フェイスグルーピング」の2種類がある
- フォトスタックは連写や似た構図の写真を束ねてライブラリを整理する機能
- フェイスグルーピングは人物やペットの顔を認識して自動で分類する機能
- 類似写真のフォトスタックは手動で作成(スタック)することが可能になってきている
- 手動スタック機能はiOS版で先行実装されAndroid版でも順次展開されている
- 個別のスタック全体を解除(アンスススタック)することもできる
- スタックから特定の写真だけを削除してグループを編集することも可能
- 人物グルーピングでは顔が認識されていない写真を手動でグループに追加することはできない
- AIが顔を検出したが未分類の場合に手動で名前を付ける(ラベル付け)ことはできる
- 友人などの後ろ姿の写真をその人のグループに追加する直接的な方法はない
- グルーピング機能が不要な場合は機能自体をオフに設定できる
- フォトスタックのオンオフはフォトビュー右上のメニューから設定する
- フェイスグルーピングのオンオフは設定のプライバシー項目から行う
- フェイスグルーピングをオフにすると既存の顔認識データがリセットされる可能性がある
- 特定の人物グループだけを非表示にする設定も可能