SIMカードを抜いて解約も済ませたスマホを、Wi-Fi専用のサブ機として再利用しようと考えている方は多いはずです。月々の通信費を節約するために回線を切ったのだから、当然これ以上の支出はないと考えがちですが、実は「SIMなしスマホの料金発生」に関する落とし穴は意外なほど多く存在します。私自身、古い端末を音楽プレーヤーや動画視聴専用にしようと調べたところ、解約後も続いてしまう請求や、運用方法によってはかえって高くついてしまうコストがあることに驚きました。
特に、端末代金の分割払いが残っている場合や、知らずに継続されている有料オプションなどは、後から大きなトラブルに発展することもあります。SIMなしスマホを安心して使い続けるためには、どのようなメカニズムで費用が発生するのか、そしてどのような技術的な制約があるのかを正しく把握しておくことが重要です。この記事では、私が個人的に気になって調べ上げた内容をもとに、SIMなしスマホ運用における経済的なリスクや安全上の注意点を詳しく解説していきます。
この記事のポイント
- 解約後も続く端末代金やオプション料金の請求構造
- Wi-Fi環境の維持やテザリングに伴う間接的なコスト
- 緊急通報ができないなどSIMなし端末特有の安全性リスク
- 料金発生を最小限に抑えつつサブ機を賢く活用するポイント
SIMなしスマホで料金が発生する主な原因と支払いの構造
通信サービスの契約を解除したからといって、そのスマホに関連するすべての契約が消滅するわけではありません。むしろ、通信料という目に見える費用がなくなることで、隠れていた「端末そのもの」や「付帯サービス」への支払いが浮き彫りになります。まずは、SIMなし状態でも請求が発生し続ける主な要因を見ていきましょう。
解約後も継続する端末代金の分割支払い

多くの方がスマホを購入する際、24回や48回の分割払いを選択しているはずです。この分割払いは、実は「個別信用購入あっせん契約」という、回線契約(通信サービス)とは法的に切り離された別の契約に基づいています。そのため、通信回線を解約してSIMカードを抜いたとしても、端末代金の債務が消えることはありません。残債がある限り、完済するまで月々の請求は続きます。
日本の主要キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなど)では、回線解約後も分割支払金を継続して支払うことが可能です。解約時に窓口で一括清算を申し出ない限り、従来の支払い方法(クレジットカードや口座振替)で請求が維持されるのが一般的です。ここで注意したいのは、自分の残債状況を把握せずに放置してしまうことです。
残債の確認を怠るリスク
「解約したからもう関係ない」と思い込み、引き落とし口座の残高を不足させたり、登録していたクレジットカードを解約したりすると、意図せず「延滞」が発生します。スマホの割賦契約はローンと同じ扱いであるため、延滞情報は信用情報機関(CICなど)に登録されてしまいます。これが、将来の住宅ローンやクレジットカードの審査に悪影響を及ぼす、いわゆる「ブラックリスト」入りの原因となるのです。
最重要注意点: 回線解約後も端末代の支払いは続きます。もし口座残高が不足して延滞が発生すると、あなたの「信用」に大きな傷がつく恐れがあります。解約前に必ず、あと何回の支払いが必要かを確認しましょう。
詳細な分割払いの仕組みや、一括返済の手続きについては、スマホの分割払いと一括はどっちが得?損しない選び方という記事でも詳しく解説していますので、併せて参考にしてみてください。
| キャリア | 分割継続 | 主な確認方法 |
|---|---|---|
| NTTドコモ | 可能 | My docomo(dアカウントが必要) |
| au (KDDI) | 可能 | My au(au IDが必要) |
| ソフトバンク | 可能 | My SoftBank(解約後90日以内) |
| 楽天モバイル | 可能 | 楽天e-SIM/カード会社明細 |
自動解除されないオプションの課金や確認方法
「SIMなしスマホで料金が発生している」というケースで非常に多いのが、有料オプションの解約漏れです。キャリアが提供するオプションの中には、回線の解約と同時に自動的に解除されるものと、そうでないものが混在しています。
特に注意が必要なのが、特定の「ID(dアカウント、au IDなど)」に紐づいているサービスや、端末自体に付帯する保証サービスです。例えば、AppleCare+やキャリア独自の故障保証サービス(ドコモの「ケータイ補償サービス」やワイモバイルの「故障安心パック」など)は、回線を解約しても端末の物理的な保護を継続するという名目で、契約が維持される場合があります。
代表的な「解約漏れ」しやすいサービス
- 動画配信・音楽配信サービス(dアニメストア、YouTube Premium、Apple Music等)
- 電子書籍・雑誌読み放題(dマガジン、ブックパス等)
- クラウドストレージ(iCloudの大容量プラン、Google One等)
- スマホ本体の故障・紛失保証サービス
これらのサービスは月額数百円から数千円程度ですが、複数が重なると無視できない金額になります。SIMなしスマホを「無料で使っている」と思い込んでいる間に、実は毎月3,000円近く支払っていた…ということも珍しくありません。解約後は必ず各キャリアのマイページにログインし、「現在契約中のサービス」を隅々までチェックしてください。
豆知識: 回線契約を解約してもID(dアカウントなど)自体は残るため、そこからログインして継続利用されている有料コンテンツがないか、定期的にクレジットカードの明細を突合することをおすすめします。
通信契約の解除に伴う月々サポート割引の終了
SIMなしスマホで「実質的な料金負担が増えた」と感じる最大の要因が、毎月の割引サービスの終了です。かつての「月々サポート(ドコモ)」や「月割(ソフトバンク)」、あるいは現在の「いつでもカエドキプログラム」など、端末代金から一定額を割り引くサービスの多くは「通信契約の継続」が条件になっています。
つまり、回線を解約してSIMを抜いた瞬間から、これまで端末代金を相殺してくれていた割引がすべて消滅します。例えば、本来の端末代金が月4,000円で、割引が月3,000円あった場合、これまでは月1,000円の負担で済みましたが、解約後は割引がなくなり、満額の4,000円を支払わなければならなくなります。

経済的合理性の再考
「月額3,000円の通信料を浮かすために解約したのに、端末代の割引3,000円がなくなってしまったら、結局トータルの支出は変わらない」という現象が起こり得ます。むしろ、解約手数料や事務手数料を考えるとマイナスになる可能性すらあります。SIMなしスマホをサブ機として運用し始める前に、残りの割引期間がどれくらいあるかを確認し、今解約することが本当に経済的に得なのかを計算することが重要です。
正確な割引の適用状況は、契約していたキャリアの公式サイトやサポート窓口で確認するようにしてください。最終的な判断は、割引終了後の支払いシミュレーションを自分で行う必要があります。
代替手段としてのWi-Fi環境構築にかかる維持費
SIMなしスマホをインターネットに接続するためには、Wi-Fi環境が絶対に必要です。自宅にすでに光回線などの固定Wi-Fiがある場合は追加コストはかかりませんが、そうでない場合は何らかの通信手段を用意するための費用が発生します。これが意外と高額になるケースがあります。
例えば、SIMなしスマホを外で使うためにモバイルWi-Fiルーター(ポケットWi-Fi)を新たに契約したり、自宅にホームルーター(置くだけWi-Fi)を設置したりする場合、初期費用として3,000円〜10,000円程度、月額料金として3,000円〜5,000円程度が必要になります。これでは、安価な格安SIM(MVNO)をスマホに挿して運用するよりも高くついてしまいます。
Wi-Fi運用のコスト構造
Wi-Fi環境を維持するためには、主に以下のコストがかかります。
| 費用項目 | 内容 | 発生タイミング |
|---|---|---|
| 初期費用 | 事務手数料、開通工事費、ルーター購入代金 | 契約開始時 |
| 月額料金 | 回線利用料、プロバイダ料、機器レンタル料 | 毎月(継続的) |
| 解約費用 | 契約解除料、工事費の残債、機器返送料 | サービス解約時 |
SIMなしスマホを「子供に持たせる」「カーナビにする」といった目的で追加の通信環境を整える際は、このインフラ維持費が家計を圧迫しないか慎重に検討しましょう。場合によっては、月額500円〜1,000円程度で維持できる低容量の格安SIMを契約したほうが、トータルコストを大幅に抑えられることもあります。
メイン端末からのテザリングによるパケット消費
外出先でSIMなしスマホを使う際に最も手軽なのが、メインで使用しているスマホの通信を分け合う「テザリング」です。多くのキャリアでテザリング機能自体は無料で使えますが、その代償としてメイン端末のデータ通信量を激しく消費します。
最近のスマホアプリや動画サービスは、高画質化に伴いデータ消費量が非常に大きくなっています。SIMなしスマホで数時間動画を見たり、SNSをチェックしたりするだけで、数ギガバイトのデータがあっという間に消えてしまいます。もしメイン端末の契約プランが「使った分だけ支払う」従量制(ドコモのギガライトや楽天モバイルなど)の場合、テザリングによって上のステップに移行してしまい、翌月の請求額が数千円跳ね上がるという「間接的な料金発生」が起こります。
追加パケット購入の罠

また、メイン端末が定額制(ahamoやLINEMOなど)であっても、容量上限を超えてしまった場合に速度制限を解除するために「追加データチャージ(1GBあたり約550円〜1,100円)」を行うと、これも実質的なSIMなしスマホの維持費となります。テザリングは非常に便利ですが、親機側のプラン内容をしっかり把握していないと、気づかないうちに通信費の総額が増えてしまうリスクがあるのです。
テザリングの詳しい設定方法や、親機のバッテリーを長持ちさせるコツについては、iPhoneやAndroidのテザリングのやり方をマスターしよう!の記事も参考にしてみてください。
050番号やIP電話アプリの利用で生じる通話料
SIMカードが入っていないスマホは、当然ながら電話番号(080/090/070等)を持ちません。そのため、通常の電話回線を使った発着信は一切できなくなります。これを補うために、Wi-Fi経由で通話ができる「IP電話アプリ」を活用するケースがありますが、ここにもコストが発生します。
LINEやDiscordのようなアプリ間通話は無料ですが、固定電話や通常の携帯電話へかけたい場合は、050から始まる番号を取得できる有料サービス(LaLa CallやMy 050など)が必要です。これらのサービスには、月額基本料(数百円)がかかるものもあり、通話した分だけ従量制で通話料が加算されます。
IP電話のデメリットと注意点
- キャリアの「かけ放題プラン」が適用されないため、長電話をすると高額になる。
- 110番や119番といった緊急通報には対応していない。
- フリーダイヤル(0120)にかけられないケースが多い。
- Wi-Fiの電波状況によって通話品質が著しく劣化する。

SIMなしスマホを電話機代わりにしようとすると、こうした「通話料の不透明さ」や「機能的な制約」に直面します。あくまで補助的な連絡手段と割り切るか、通話が多い場合は別途メイン端末で話すようにするなど、使い分けが必要です。
SIMなしスマホで料金が発生しないよう管理する際の注意点
金銭的なコストも重要ですが、SIMなしスマホを運用する上で本当に怖いのは「見えないリスク」です。これらは時に、お金では解決できないトラブルを引き起こすことがあります。
端末保証やクラウドストレージの継続課金に注意
前述の通り、有料オプションの継続には細心の注意が必要です。特に注意したいのが、Appleが提供する「iCloud」やGoogleの「Google One」などのストレージサービスです。これらはSIMの有無に関わらず、一度契約すると自動更新され続けます。
また、古いスマホをサブ機にする際、「もし壊れたら困るから」と端末保証(AppleCare+など)を継続している方もいますが、これも再考の余地があります。例えば、中古市場で2万円程度で買えるような古い機種に対して、年間1万円近い保証料を払い続けるのは、経済的な合理性に欠けるかもしれません。
チェックポイント: サブ機の用途が「家で動画を見るだけ」なら、高額な故障保証は解約し、万が一壊れたら新しい中古端末を買うと割り切ったほうが、トータルの出費を抑えられる場合が多いです。
110番などの緊急通報ができない安全面のリスク
SIMなしスマホの利用において、最も重大かつ見落とされがちなのが「緊急通報ができない」という点です。日本の通信インフラの仕様上、警察(110番)、消防(119番)、海上保安庁(118番)への発信には、有効なSIMカードと電話番号が必要です。
多くのスマホでは、ロック画面に「緊急通報」というボタンが表示されます。しかし、SIMがない状態でこれをタップしても、日本では「接続できません」や「SIMカードが挿入されていません」というエラーが出て、受理機関に繋がることはありません。これは、緊急通報受理機関側が、悪質ないたずらを防ぐため、また通話が切れた際にコールバック(折り返し電話)をするために、発信者の電話番号と位置情報を正確に把握する必要があるためです。

生命に関わるリスク: 特に、子供や高齢者に「安心のために」とSIMなしスマホを持たせている場合、いざ事件や事故が起きた際に救急車すら呼べないという非常に危険な状態になります。
この仕様については、(出典:総務省「緊急通報の機能」)などの公式情報を確認し、SIMなし端末の限界を正しく理解しておいてください。代替手段として、近隣の方に助けを求める、あるいは050以外の連絡手段(LINE等)で家族に連絡するといった訓練が必要になります。
フリーWi-Fi利用時に潜むセキュリティ上の脅威
通信費を1円もかけたくないという理由で、カフェや駅、商業施設などが提供している「フリーWi-Fi(公衆無線LAN)」のみでSIMなしスマホを運用する場合、セキュリティリスクが飛躍的に高まります。
暗号化されていないフリーWi-Fiは、同じWi-Fiに接続している悪意のある第三者によって、通信内容が容易に傍受されてしまう可能性があります。また、実在する有名チェーン店のWi-Fiを装った「なりすましアクセスポイント」に接続してしまうと、入力したパスワードやクレジットカード情報、SNSのログイン情報などが直接盗まれてしまいます。
被害に遭った際の「コスト」
情報漏洩による金銭被害は、数千円の通信費節約など一瞬で吹き飛ばすほどの金額になります。また、アカウントが乗っ取られた際の復旧作業、カードの停止・再発行、関係各所への連絡といった「時間的コスト」や「精神的ストレス」も甚大です。SIMなしスマホを外で安全に使うなら、VPN(仮想専用線)サービスを利用するか、信頼できないWi-Fiには接続しないという徹底した自己管理が求められます。

バッテリー劣化やOS更新の遅れに伴う隠れたコスト
古いスマホをSIMなしで長く使おうとすると、ハードウェアの寿命という問題に直面します。特にリチウムイオンバッテリーは消耗品であり、たとえ通信をしていなくても充電を繰り返すことで劣化が進みます。バッテリーが膨張したり、数分使っただけで電源が落ちるようになると、修理店でのバッテリー交換費用(約5,000円〜15,000円)が必要になります。
ソフトウェア面のリスク
さらに深刻なのが「OSのアップデート終了」です。古い機種はメーカーのサポートが切れると、最新のiOSやAndroid OSに更新できなくなります。これには2つのデメリットがあります。
- アプリの非対応: YouTubeやLINEなどの主要アプリが、古いOSでは起動できなくなる。
- 脆弱性の放置: セキュリティの穴(脆弱性)が修正されないため、ネットに繋ぐだけでウイルス感染のリスクが高まる。
このように、SIMなしスマホを「使い続ける」ためには、定期的なメンテナンスや、いずれ必要になる買い替えのための費用を想定しておく必要があります。安全で快適な運用を検討中の方は、2026年に格安SIMの最安運用を成功させる鉄則もぜひチェックして、コストパフォーマンスの最適解を探してみてください。
SIMなしスマホの料金発生を賢く抑える活用のまとめ
長々と解説してきましたが、「SIMなし スマホ 料金 発生」という事象は、単なる通信費の問題ではなく、過去の契約の清算、代替インフラの確保、そして安全性のトレードオフという複雑な要素で構成されています。
SIMなしスマホを真に賢く、そして安全に活用するためのチェックリストを最後にまとめました。

SIMなしスマホ運用のための最終確認リスト
- キャリアのマイページで端末残債の回数と金額を確認したか?
- 割引(月々サポート等)が終了した後の支払額に納得しているか?
- ID決済やエンタメ系の有料オプションをすべて精査・解約したか?
- 110番・119番通報ができないリスクを家族全員が理解しているか?
- メイン端末のテザリングプランや容量上限を把握しているか?
これらの準備を怠らなければ、SIMなしスマホは非常に便利なデジタルツールとして活躍してくれます。ただし、少しでも不安がある場合や、外出先での安全な通信を確保したい場合は、月額数百円から維持できる「povo2.0(基本料0円〜)」や「日本通信SIM」などの格安プランをあえて契約し、SIMを挿した状態で運用するのが最も合理的で安全な解決策になることもあります。
※本記事の内容は、あくまで一般的なケースに基づいた目安です。各キャリアの契約条件や法規制は変更される可能性があるため、最終的な判断の前に必ず公式サイトの最新情報を確認し、必要であれば専門のサポート窓口へ相談することをお勧めします。運用はすべて自己責任で行ってください。

SIMなしスマホを上手に使いこなして、無駄な出費を抑えたスマートなデジタルライフを実現しましょう!