NordVPNの料金は2年後に激増？更新時の罠と安くする対策

NordVPNを使い始めてからしばらく経つと、ふと気になってくるのが「最初の契約期間が終わった後のこと」ではないでしょうか。契約時には驚くほど安かった2年プランも、更新のタイミングで料金が跳ね上がるという噂を耳にすると、急に不安になってしまいます。実際にNordVPNの料金が2年後にどう変わるのか、更新料が高いと感じる原因は何なのか、そして自動更新を停止して高額な請求を避けるにはどうすればいいのか。多くのユーザーが抱えるこうした疑問や不安について、私自身が調べた事実と対策をまとめてみました。

NordVPNの料金は2年後にいくらになる？

最初の2年間は「月額ワンコイン程度」という破格の安さで利用できるNordVPNですが、その快適さに慣れきった頃にやってくる更新のタイミングには注意が必要です。私自身も最初は「更新すればまた同じような金額で使い続けられるだろう」と軽く考えていました。しかし、実は2年後の更新時には契約条件がガラリと変わり、私たちが想定している以上の金額が請求される仕組みになっています。ここでは、更新時に具体的に何が起きるのか、その料金構造のカラクリや、ユーザーが陥りやすい誤解について詳しく見ていきましょう。

更新時に請求される金額の実態

結論から申し上げますと、2年後の更新時には初回契約時の大幅な割引が一切適用されなくなります。これが、料金が急激に高くなったと感じる最大の要因です。

私たちが最初にNordVPNを契約したときのことを思い出してみてください。おそらく、Webサイトには「70% OFF」や「60% OFF」といった魅力的な割引率が大きく表示されていたはずです。この「初回限定キャンペーン（Introductory Offer）」のおかげで、私たちは月額換算で約3ドル〜4ドル（450円〜600円程度）という、非常にリーズナブルな価格でサービスを利用し始めることができました。

しかし、この割引はあくまで「NordVPNを初めて使うユーザー」を呼び込むための特別な価格設定であり、残念ながら永遠に続くものではありません。契約期間が満了し、自動更新が行われるタイミングでは、その時点での「標準価格（定価）」が適用されることになります。

具体的にイメージするために、数字で考えてみましょう。もしあなたが「2年プラン」を初回に契約し、総額で約80ドル（約12,000円）を支払っていたとします。月当たりにすれば約3.3ドルです。しかし、2年後の更新時に適用される標準価格が月額約8ドル〜10ドル程度（プランによります）だとすると、更新時に請求される金額は一気に跳ね上がります。しかも、後述するように契約期間自体が短縮されるため、「支払う金額は増えているのに、使える期間は減っている」という二重のショックを受けることになるのです。

この価格差は、サブスクリプションビジネスにおいて「クリフ（崖）」と呼ばれる現象で、多くのユーザーがここでサービス継続を迷うポイントとなります。NordVPN側としては、最初の2年間でサービスの良さを十分に体験してもらい、「この便利さなら定価でも使い続けたい」と思ってもらうことを狙っているわけですが、ユーザーの財布事情からすれば、事前の心の準備なしに受け入れられる金額ではありません。

契約期間が1年に短縮される罠

料金が高くなること以上に、多くのユーザーが気づかずに損をしている、あるいは「騙された」と感じてしまいやすいのが「契約期間の変更」です。これこそが、NordVPNの更新システムにおける最大の落とし穴と言っても過言ではありません。

一般的な感覚であれば、「2年契約を更新するのだから、また次の2年間が始まる」と考えるのが自然でしょう。携帯電話の契約や賃貸契約など、私たちの身の回りの契約更新は通常、前回と同じ期間で更新されることが多いからです。しかし、NordVPNの利用規約には、実は以下のような独自のルールが存在します。

これは利用規約（Terms of Service）の「Renewal」セクションに明記されている仕様なのですが、契約時にここまできちんと読み込んでいるユーザーは極めて少数です。その結果、更新通知やクレジットカードの明細を見たときに、「なぜ1年分しか更新されていないのに、こんなに高いんだ？」という混乱が生じます。

つまり、更新後は「期間は半分（1年）なのに、支払総額は前回（2年分）と同等かそれ以上」という、非常にコストパフォーマンスの悪い状態に自動的に移行してしまうのです。これを「実質月額」で計算し直すと、初回契約時の4倍近いコストになっていることも珍しくありません。

なぜこのような仕様になっているのか、公式な説明は少ないですが、ビジネス的な観点から推測すると、「2年後の市場環境やコスト変動に対応するため、長期の価格固定リスクを避けたい」という意図や、「1年単位の契約の方が収益性が高い（LTVの最大化）」という判断があるのかもしれません。いずれにせよ、ユーザーにとってはメリットの薄い仕様であることは間違いなく、この「勝手に期間が短くなる」という点こそが、NordVPNの更新において最も警戒すべきポイントです。

自動更新の日付と引き落とし時期

「まだ契約満了日まで数日あるから、解約するかどうかはギリギリまで考えよう」と油断していると、思わぬタイミングで課金され、後戻りできなくなることがあります。サブスクリプションサービスの常として、契約満了日の23時59分に更新処理が行われるわけではありません。

一般的に、NordVPNの自動更新および決済処理は、実際の契約終了日の数日前から行われることが多いようです。これは、クレジットカードの有効期限切れや限度額オーバーなどで決済エラーが発生し、サービスが予期せず中断してしまうのを防ぐための措置（プリオーソリゼーションや早めの決済実行）ですが、ユーザー側からすれば「まだ解約する猶予があると思っていたのに、すでに引き落とされていた」という事態になりかねません。

また、更新のお知らせメールが届く設定になっていたとしても、迷惑メールフォルダに入ってしまったり、大量のメールに埋もれて見逃してしまったりすることはよくあります。「気づいた時には更新されていた」というトラブルは、国民生活センターなどにも多くの相談が寄せられる典型的なサブスクリプションのトラブルパターンです。

特にNordVPNの場合、更新後の金額が大きいため、意図しない引き落としが家計に与えるダメージも無視できません。「自分は大丈夫」と思わず、契約したその日にスマホのカレンダーアプリを開き、2年後の日付の1ヶ月前に「NordVPN更新確認」とアラームを設定しておくことを強くおすすめします。こうした少しの工夫が、将来の無駄な出費を防ぐ最後の砦となります。

（出典：国民生活センター『「解約したはず！」「契約してない！」と思い込んでいませんか？　予期せぬ“サブスク”の請求トラブルに注意！』）

請求額が高いと感じる為替の影響

私たち日本のユーザーにとって、NordVPNの料金を考える上で絶対に無視できないのが「為替レート」の影響です。NordVPNは日本国内に法人登記しているようなドメスティックなサービスではなく、海外（パナマやリトアニア等の法域下）で運営されているグローバルサービスです。そのため、基本となる価格設定は「米ドル（USD）」や「ユーロ（EUR）」がベースになっています。

公式サイト上では親切に「日本円（JPY）」で価格が表示されていますが、これはあくまでその時の参考レートで換算された目安に過ぎない場合や、決済時に海外利用扱いとなるケースが多くあります。実際の決済時には、その瞬間の為替レートが反映されたり、クレジットカード会社が設定する「海外事務手数料（概ね1.6%〜2.2%程度）」が上乗せされたりすることがあります。

特に、昨今の急激な円安傾向においては、この為替リスクが家計に重くのしかかります。例えば、2年前に契約した時が「1ドル＝110円」だったとしましょう。もし更新時のレートが「1ドル＝150円」になっていたとしたら、現地のドル建て価格が全く変わっていなかったとしても、日本円での支払額は約1.36倍に膨れ上がる計算になります。

また、為替レートは日々刻々と変動しています。「更新日が昨日だったらもう少し安かったのに」ということもあり得ますが、こればかりはコントロールできません。日本国内のユーザーである以上、海外サブスクリプションを利用する際には、常にこの為替リスクがつきまとうことを認識しておく必要があります。場合によっては、ドル建てで決済できるカードを使ったり、円高のタイミングでプリペイド的なコードを購入しておいたりといった高度な対策も考えられますが、基本的には「表示価格よりも少し高くなる可能性がある」と見積もっておくのが無難です。

アカウントで契約内容を確認する

ここまで読んで、「あれ、自分の契約はどうなっていたっけ？」「いつ契約して、次はいくら請求される予定なんだろう？」と不安になった方も多いのではないでしょうか。そんな時は、推測で悩むよりも、今すぐ自分のアカウントページを確認するのが一番です。

ただし、注意点が一つあります。スマホに入れているNordVPNの「アプリ」の設定画面を見ても、契約の詳細や次回請求額までは確認できないことが多いのです。正確な情報を得るには、SafariやChromeなどのブラウザを使って、公式サイトの「Nord Account」にログインする必要があります。

ログイン後、ダッシュボードの左側にあるメニューから「Billing（請求）」セクションをクリックしてください。そこにある「Subscriptions（サブスクリプション）」タブを開くことで、以下のような重要な情報を確認できます。

ここに表示されている「次回請求額」を直視し、その金額を支払ってでも現在のプランを「1年間」継続する価値があるかどうか、冷静に判断することが大切です。「セキュリティのためには仕方ない」と割り切れるならそのままで良いですし、「さすがに高すぎる」と感じるなら、次章で紹介する対策を実行に移しましょう。

NordVPNの料金を2年後も安くする対策

更新時の料金が高騰する仕組みや、契約期間短縮の罠については十分にご理解いただけたかと思います。しかし、仕組みを知ったからといって、黙って高額な料金を支払う必要はありません。ここからは、賢いユーザーたちが実践している「コストを抑えつつ、安全なVPN環境を維持するための具体的な対策」を紹介します。少しの手間を惜しまなければ、数千円から1万円以上の節約になることも珍しくありません。ご自身の状況に合わせて、最適な方法を選んでみてください。

自動更新を確実に解約する手順

最も確実で、かつ誰にでもできる防衛策は、契約が更新される前に「自動更新」をオフにしておくことです。これを設定しておけば、契約期間満了と同時にサービスが終了し、勝手に課金されることはありません。「解約」というとサービスが即座に使えなくなるイメージを持つかもしれませんが、NordVPNの自動更新停止は「次回の予約をキャンセルする」だけの意味なので、安心してください。

具体的な手順は以下の通りです。解約を阻止しようとするデザイン（いわゆるダークパターンに近いもの）により、少し分かりにくい場所にボタンがあったり、何度も引き留められたりしますが、落ち着いて進めば大丈夫です。

1. PCまたはスマホのブラウザで「Nord Account」にアクセスし、ログインします。
2. ダッシュボード左側のメニューから「Billing（請求）」をクリックします。
3. 画面上部の「Subscriptions（サブスクリプション）」タブを選択します。
4. 「Auto-Renewal（自動更新）」のステータスが「ON」になっていることを確認し、その横にある「Manage（管理）」をクリックします。
5. 「Cancel auto-renewal（自動更新をキャンセル）」というリンクが表示されるのでクリックします。
6. 【最重要】ここから、「セキュリティが低下します」「今ならお得な特典があります」といった引き留めのメッセージが複数回表示されますが、これらを全て無視し、「自動更新をキャンセルする」という趣旨のボタンを選んで進み続けてください。
7. 最終的に「自動更新がオフになりました」という完了画面が表示され、登録メールアドレスに「自動更新キャンセルの確認メール」が届けば手続き完了です。

更新分は返金保証の対象外か

NordVPNを契約する際、大きな安心材料となったのが「30日間返金保証（30-day money-back guarantee）」ではないでしょうか。しかし、この保証制度について多くのユーザーが誤解している重大な点があります。それは、この返金保証が基本的に「新規購入時」にのみ適用されるものであり、自動更新には適用されないという点です。

利用規約を詳細に読み解くと、自動更新された後の支払いについては、返金保証の対象外である旨が記載されています。つまり、「うっかり解約を忘れていて、勝手に更新されてしまった！使わないから返金してほしい」と後からサポートに泣きついても、原則としては「規約通り更新されましたので、返金はできません」と断られてしまうのがオチです。

しかし、インターネット上の口コミやコミュニティ情報（Redditなど）を見ると、例外的に返金が認められたケースも散見されます。成功例に共通しているのは、以下のポイントです。

• スピード勝負：更新（引き落とし）されてから数日以内、できれば当日中に連絡していること。
• 直接交渉：メールではなく、公式サイトのライブチャットを使って、リアルタイムで担当者に事情を説明していること。
• 強い意志：「自動更新をオフにしたつもりだった」「通知が来ていない」など、事情を強く訴えていること。

もちろん、これはあくまでサポート担当者の裁量や、お住まいの地域の消費者保護法制に依存する「例外措置」であり、必ず返金される保証はありません。しかし、もし手遅れになって高額な請求が発生してしまった場合でも、諦めて泣き寝入りする前に、ダメ元ですぐにサポートへ連絡してみる価値は十分にあります。とはいえ、やはり最も確実なのは、事前の自動更新オフであることは言うまでもありません。

新規アカウントで再契約する技

では、自動更新を停止した後、2年後も引き続きNordVPNを安く使い続けたい場合はどうすればいいのでしょうか。既存のアカウントで契約を再開しようとすると、どうしても割引のない「標準価格」が適用されてしまいます。

そこで有効なのが、通称「Churn & Return（解約して戻る）」と呼ばれる戦略、つまり「一度解約して、全く新しいアカウントとして契約し直す」という方法です。

NordVPNのシステム上、新しいメールアドレスを使って登録すれば、それは「新規顧客」として扱われます。つまり、再びあの魅力的な「初回限定割引（70%オフなど）」や「2年プラン」を契約する権利が手に入るのです。既存のアカウントを使い続ける義理はありません。

この方法のデメリットは、これまで登録していた「お気に入りサーバー」の設定や、もし利用していた場合は「Meshnet」のペアリング設定などがリセットされてしまうことです。しかし、設定をやり直す少しの手間で、更新料との差額、つまり1万円近い節約が可能になります。コストパフォーマンスを最優先するユーザーにとっては、この「アカウント作り直し」こそが、NordVPNを最安値で使い続けるための最強のソリューションと言えるでしょう。

他社への乗り換えでコスト削減

NordVPNの契約満了は、視点を変えれば「他のVPNサービスを試す絶好のチャンス」でもあります。VPN業界は競争が非常に激しく、どの会社も他社からの乗り換えユーザーを獲得しようと必死です。そのため、NordVPN以外のサービスも、新規顧客に対しては赤字覚悟の大幅な割引キャンペーンを行っています。

例えば、NordVPNとよく比較されるSurfsharkなどは、機能面でNordVPNと非常に近く（現在はNord Security社の傘下に入り、技術共有が進んでいます）、それでいて価格設定がさらにアグレッシブなことで知られています。特にSurfsharkの強みは「接続デバイス数が無制限」であることです。NordVPNは1アカウントにつき10台（以前は6台）までという制限がありますが、Surfsharkなら家族全員のスマホやPC、タブレットを何台繋いでも追加料金はかかりません。

「2年ごとに一番安いキャンペーンを行っている会社を渡り歩く」というのも、賢い消費者の立ち回り方の一つです。VPNの基本機能（IPアドレスの変更、通信の暗号化）はどの主要サービスでも大きな差はありません。NordVPNに特別なこだわりがなければ、契約満了を機に他社の「初回割引」を利用して、コストを最小限に抑える運用を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ：NordVPNの料金と2年後の対応

ここまで、NordVPNの2年後の料金変動の仕組みと、高額請求を回避するための具体的な対策について深掘りしてきました。「NordVPN 料金 2年後」と検索したあなたが抱いていた不安は、現実的なリスクとして存在しています。しかし、その仕組みさえ理解していれば、恐れることは何もありません。

最後に、この記事の要点をもう一度おさらいしておきましょう。

• 料金の急増：2年後の更新時には初回割引が消滅し、料金が実質3倍〜4倍になる可能性があることを覚悟してください。
• 期間の短縮：自動更新後は、2年プランであっても勝手に「1年契約」に切り替わる仕様になっています。
• リスク回避：意図しない高額決済を防ぐ唯一にして最大の防御策は、事前に「自動更新をオフ」にしておくことです。今すぐ設定を確認してください。
• コスト最適化：安く使い続けたいなら、そのまま更新せず、「新規アカウントでの再契約」か「他社（Surfshark等）への乗り換え」を行うのが経済的合理性の高い選択です。

NordVPN自体は、通信速度、セキュリティ機能、サーバー数など、どれをとっても業界トップクラスの非常に優秀なサービスです。その性能には疑いの余地がありません。だからこそ、「料金の更新システム」で損をした気分になってしまうのは非常にもったいないことです。

賢いユーザーは、サービスの品質を享受しつつ、契約更新のタイミングではシビアにコストを見直します。この記事が、あなたが2年後も納得のいく価格で、安全で快適なインターネットライフを続けるための助けになれば幸いです。まずは、ご自身のアカウントページにログインし、次回の更新日と自動更新ステータスを確認することから始めてみてください。