NordVPNの固定IPは必要？料金や設定方法を徹底解説

NordVPN の固定IPについて情報を集めているものの、そもそもVPNに固定IPは不要という意見もあり、導入すべきか迷ってはいませんか。固定IPには明確なメリットとデメリットが存在し、どんな時に必要になるのかを正しく理解することが大切です。

この記事では、NordVPNで固定IPを利用するメリットとデメリットを比較し、具体的な料金体系から既存契約への追加方法、日本での利用、そしてお得なクーポン情報まで網羅的に解説します。さらに、実際の接続方法や、万が一の際の変更、解約手順についても詳しく触れていきますので、ご自身の利用目的に合っているかを判断し、安心して利用を開始するための参考にしてください。

NordVPNの固定IPの必要性とメリット・デメリット

VPNに固定IPが不要だと言われる理由

VPNサービスにおいて、必ずしも固定IPが必要とされない背景にはいくつかの理由が存在します。主な理由として、追加のコストが発生する点と、プライバシーの観点から共有IPのほうが優れている場合がある点が挙げられます。

まず、固定IPは通常のVPNプランに加えてオプション料金がかかります。インターネットの閲覧や動画視聴など、一般的な利用目的であれば、通常のVPNサービスに含まれる共有IPアドレスで十分にプライバシーを保護できるため、追加費用をかけてまで固定IPを導入する必要性は低いと考えるユーザーは少なくありません。

また、プライバシー保護を最重要視する場合、複数のユーザーで一つのIPアドレスを共有する共有IPのほうが、個人の特定がより困難になります。固定IPは自分専用のIPアドレスであるため、オンライン上の活動がそのIPアドレス、ひいては自身のアカウントに結びつきやすくなる可能性が理論上は存在します。これらの理由から、利用目的によっては固定IPは不要と判断されることがあります。

固定IPを利用することで得られるメリット

VPNで固定IPを利用することには、通常の共有IPでは得られない多くのメリットがあります。最大の利点は、セキュリティの強化と利便性の向上を両立できる点です。

ビジネスシーンでは、企業や組織の内部ネットワーク、あるいは特定のサーバーへ安全にリモートアクセスする際に大きな効果を発揮します。システム管理者側で、あらかじめ許可されたIPアドレスからのアクセスのみを許可する「IPホワイトリスト」設定を行っている場合、毎回同じIPアドレスで接続できる固定IPは不可欠です。これにより、不正アクセスを効果的に防ぎ、セキュリティレベルを高く維持したまま、どこからでも安全に業務を行えます。

個人利用においても、その恩恵は大きいです。例えば、オンラインバンキングでは、接続のたびにIPアドレスが変わると不審なアクセスと見なされ、追加の認証を求められたり、一時的にアカウントがロックされたりすることがあります。固定IPを使えば、常に信頼された接続元として認識されやすくなり、スムーズな取引が可能です。

さらに、一部のWebサービスやオンラインゲームでは、不特定多数のユーザーが利用する共有IPが悪用された場合に、そのIPアドレスごとブロックされることがあります。自分専用の固定IPであれば、他者の行動によってアクセスが制限されるという理不尽な事態を避け、安定した接続を確保できるのです。

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知っておくべきデメリットと注意点

固定IPは多くの利便性を提供する一方で、導入前にはいくつかのデメリットや注意点を理解しておく必要があります。主なものとして、追加で発生するコストとプライバシーに関する側面が挙げられます。

まず、最も分かりやすいデメリットは料金です。NordVPNの固定IPは、通常のVPNサブスクリプションとは別のオプションサービスとして提供されており、追加の月額料金が発生します。この料金は、VPN本体の契約期間と連動しており、長期契約になるほど月々の負担は軽くなりますが、それでもトータルの費用は増加します。利用目的と得られるメリットが、このコストに見合うかどうかを慎重に判断することが求められます。

次に、プライバシーに関する注意点です。共有IPアドレスは、同じサーバーに接続している多数のユーザーでIPアドレスを共有するため、個人のオンライン活動を特定するのが非常に困難です。一方、固定IPは自分だけが使用するIPアドレスであり、契約したアカウントに直接紐づいています。このため、万が一の場合、オンライン上での行動が個人に結びつく可能性が共有IPに比べて高くなる点は否定できません。もちろん、NordVPN自体の通信暗号化やノーログポリシーによってプライバシーは強力に保護されていますが、IPアドレスの専有という性質そのものに由来するこの特性は、念頭に置いておくべきでしょう。

固定IPはどんな時に必要になるのか

固定IPアドレスが必要となるのは、主に「IPアドレスが毎回変わると不都合が生じる」あるいは「常に同じIPアドレスからのアクセスが求められる」という特定の状況です。通常のインターネット利用では意識することの少ないIPアドレスですが、特定のサービスや環境下では、その一貫性が非常に重要になります。

例えば、セキュリティを重視する企業の社内システムや、特定の顧客しかアクセスできないデータベースなどでは、事前に登録されたIPアドレス以外からの接続をすべて拒否する設定がなされていることが一般的です。このような環境へ外部から安全に接続するためには、毎回同じIPアドレスを提示できる固定IPが不可欠となります。

また、個人利用においても、IPアドレスの変動が原因でサービス利用に支障をきたすケースがあります。一部のストリーミングサービスやオンライン投票サイトなどでは、VPN経由のアクセスや短時間でのIPアドレスの変更を検知して、アクセスをブロックすることがあります。固定IPを利用することで、こうしたブロックを回避し、安定してサービスを利用できる可能性が高まります。

要するに、不特定多数と共有するIPアドレスでは対応できない、より高度なセキュリティ要件や、特定のサービスへの安定したアクセスが求められる場面で、固定IPの真価が発揮されるのです。

具体的に固定IPが必要となる利用シーン

固定IPアドレスは、ビジネスとプライベートの両面で、具体的なメリットをもたらす多様な利用シーンが存在します。どのような場面でその価値が発揮されるのかを具体的に見ていきましょう。

ビジネスでの利用

リモートワークが普及した現代において、固定IPは企業のセキュリティポリシーを遵守しつつ、柔軟な働き方を実現するための鍵となります。

• 安全なリモートアクセス: 自宅や外出先から会社の内部ネットワークやサーバーに接続する際、固定IPを利用すれば、会社側は特定のIPアドレスのみをアクセス許可リストに追加できます。これにより、部外者による不正アクセスのリスクを大幅に低減させることが可能です。
• サーバーやWebサイトの管理: 自身が管理するWebサーバーやクラウドサービスの設定画面（コントロールパネル）へのアクセスを、自分の固定IPからのみに制限できます。これにより、第三者による不正なログイン試行を根本から遮断し、管理するデジタル資産を安全に保護します。
• 取引先システムへの接続: 取引先によっては、セキュリティ上の理由から、指定したIPアドレス以外からのアクセスを許可していない場合があります。このような場合でも、固定IPがあればスムーズに連携作業を進めることができます。

個人での利用

個人のインターネット利用においても、固定IPはより快適で安全な体験を提供します。

• オンラインバンキングの安定利用: 金融機関のセキュリティシステムは、普段と違うIPアドレスからのアクセスを不審な動きと判断することがあります。固定IPを使用することで、常に同じ環境からのアクセスと認識され、煩わしい追加認証や利用制限を回避しやすくなります。
• CAPTCHA認証の回避: 共有IPアドレスを利用していると、同じIPを使った他のユーザーの行動が原因で、Webサイトからボット（自動プログラム）ではないことを証明するためのCAPTCHA認証（画像選択など）を頻繁に求められることがあります。固定IPであれば、信頼されたユーザーとして認識されやすく、こうした中断が減少します。
• 一部オンラインサービスの安定接続: 特定のストリーミングサービスやオンラインゲームでは、共有IPからのアクセスを制限している場合があります。固定IPを用いることで、これらのサービスへのアクセスが安定し、快適にコンテンツを楽しむことができます。

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NordVPNで固定IPを導入・管理する方法

固定IPの料金プランとクーポンの使い方

NordVPNの固定IPは、VPNプラン本体とは別のオプションサービスであり、追加料金が必要です。料金体系は、VPNプランの契約期間と連動しており、長期間の契約を選択するほど月額あたりの料金が割安になる仕組みになっています。

料金プラン

以下は、一般的な料金設定の目安です。実際の価格は為替レートやキャンペーンによって変動するため、必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。

このように、2年プランを選択した場合、1か月プランと比較して月々のコストを大幅に抑えることが可能です。固定IPの利用を長期的に考えている場合は、VPNプラン本体と合わせて2年プランで契約するのが最も経済的と言えます。

クーポンの利用

NordVPNでは、固定IPを追加購入する際に利用できる特別なクーポンコードが提供されることがあります。例えば、「norddedicatedip」といったコードが知られています。

このクーポンは、主に既存ユーザーが追加で固定IPのみを契約する際や、特定のキャンペーン時に利用できることが多いです。新規契約時に固定IPをオプションとして追加する場合は、プラン選択画面で自動的に割引が適用されることがほとんどですが、クーポン入力欄があれば試してみる価値はあります。クーポンを利用することで、表示価格からさらに割引を受けられる可能性があるため、契約手続きを進める際には「クーポンをお持ちですか？」といったリンクがないか確認することをおすすめします。

既存契約への固定IPの追加購入手順

すでにNordVPNのサブスクリプションを利用している場合でも、後から固定IPを簡単に追加購入することができます。手続きはすべてNordVPNの公式ウェブサイトにある自身のアカウントダッシュボード内で完結します。

具体的な手順は以下の通りです。

1. Nordアカウントへログイン: まず、NordVPNの公式サイトにアクセスし、登録済みのメールアドレスとパスワードでご自身の「Nordアカウント」にログインします。
2. 固定IPセクションへ移動: ログイン後のダッシュボード画面で、左側のメニューから「NordVPN」を選択します。すると、現在契約中のプラン情報などが表示されますので、その中から「固定IPを取得」といったボタンやリンクを見つけてクリックします。
3. プランの選択: 固定IPの購入ページに移動します。ここでは、現在のVPNプランの残り期間に応じた固定IPの料金プランが表示されます。ご自身の希望に合ったプランを選択してください。
4. 支払い情報の入力と決済: 支払い方法を選択し、必要な情報を入力して決済を完了させます。利用可能な支払い方法はクレジットカード、PayPal、暗号通貨など多岐にわたります。
5. ロケーションの選択: 決済が完了すると、どの国の固定IPを利用したいかを選択する画面に進みます。日本（東京）をはじめ、アメリカ、イギリスなど多くの選択肢の中から、ご自身の利用目的に最も適したロケーションを選びます。

以上の手順で、既存のアカウントに固定IPオプションを追加できます。設定が完了すれば、すぐに専用のIPアドレスでの接続が可能になります。

日本のサーバーを含むロケーションの選び方

NordVPNの固定IPは、世界中の多くの国と都市で利用可能であり、日本（東京）のサーバーも選択できます。どのロケーションを選ぶかは、固定IPの利用目的に大きく左右されるため、慎重に検討することが大切です。

利用可能な主なロケーション

2025年6月現在、NordVPNが固定IPを提供している国と地域の一部は以下の通りです。最新の提供状況は公式サイトでご確認ください。

ロケーションの選び方

ロケーションを選ぶ際の基本的な考え方は、「どの国のサービスにアクセスしたいか」です。

• 日本のサービスへのアクセスが目的の場合: 日本国内限定の動画配信サービス、オンラインショッピングサイト、金融機関のサービスなどを海外から利用したい場合は、迷わず「日本（東京）」を選択するのが最適です。日本のIPアドレスを持つことで、海外からのアクセス制限を回避し、国内にいるのと同じようにサービスを利用できます。
• 海外のサービスへのアクセスが目的の場合: 特定の国でしか視聴できない動画コンテンツや、その国在住者向けのサービスを利用したい場合は、その国のサーバーを選択します。例えば、アメリカのコンテンツにアクセスしたいならアメリカの都市（ニューヨーク、ロサンゼルスなど）を選ぶことになります。
• 物理的な距離を考慮する: VPN接続では、選択したサーバーとの物理的な距離が通信速度に影響を与えることがあります。特別な理由がない限りは、ご自身がインターネットを利用する場所から地理的に近い国のサーバーを選ぶと、より快適な通信速度が期待できます。

自身の主な利用目的を明確にし、それに最も合致したロケーションを選択することが、固定IPを最大限に活用する鍵となります。

取得した固定IPの変更はできるのか

NordVPNで一度取得した固定IPアドレスは、永久に同じものが割り当てられるわけではなく、状況に応じて変更が可能です。ただし、その変更には制限があるため、事前にルールを理解しておくことが重要です。

現在のNordVPNのポリシーでは、固定IPアドレスの変更は、1つのサブスクリプション契約につき1回までと定められています。

何らかの理由で現在利用している固定IPアドレスに問題が発生した場合、例えば、意図せず特定のサービスからブロックされてしまった、あるいは単に別の国のIPアドレスが必要になったといったケースで、この変更権を利用することができます。

固定IPの変更を希望する場合、ユーザー自身でダッシュボードから手続きを行うことはできず、NordVPNのカスタマーサポートに直接連絡を取る必要があります。公式サイトのヘルプページからライブチャットまたはメールで問い合わせを行い、「固定IPアドレスを変更したい」旨と、その理由、そして次に希望するロケーションを伝えます。

サポートチームがリクエストを受理し、処理が完了すれば、新しい固定IPアドレスがアカウントに割り当てられます。ただし、前述の通り、この変更は契約期間中に一度しか行えないため、本当に変更が必要なタイミングで慎重に行使する必要があります。頻繁にロケーションを変更したい場合は、固定IPの追加購入を検討するか、通常の共有IPサーバーを利用するのが現実的な選択肢となります。

固定IPへの具体的な接続方法と設定

NordVPNで取得した固定IPアドレスへ接続するための設定は、いくつかの簡単なステップで完了します。最も重要なポイントは、固定IPを利用するためには、VPNプロトコルを特定の形式に変更する必要がある点です。

VPNプロトコルの設定変更

NordVPNのアプリは、標準で「NordLynx」という独自の高速プロトコルが設定されていますが、固定IPサーバーへの接続は現在、「OpenVPN (TCP)」または「OpenVPN (UDP)」プロトコルでのみサポートされています。そのため、まずこの設定を変更します。

1. NordVPNアプリを開く: PCまたはスマートフォンのNordVPNアプリを起動します。
2. 設定画面へ移動: 画面内にある歯車アイコンなどをクリックし、設定メニューを開きます。
3. プロトコルの変更: 「接続」や「VPNプロトコル」といった項目を選択し、現在の設定を「OpenVPN (TCP)」または「OpenVPN (UDP)」のいずれかに変更します。どちらを選べばよいか分からない場合は、まずは「OpenVPN (UDP)」を試してみるのが一般的です。

固定IPサーバーへの接続

プロトコルの設定が完了したら、実際に固定IPサーバーへ接続します。

1. メイン画面に戻る: アプリのメイン画面（サーバーリストや地図が表示される画面）に戻ります。
2. 特殊サーバーを選択: サーバーリストの中から「特殊サーバー（Specialty servers）」のカテゴリーを探します。
3. 固定IPに接続: 「特殊サーバー」の中に「固定IP（Dedicated IP）」という項目がありますので、それをクリックまたはタップします。すると、あなたのアカウントに割り当てられている固定IPサーバーが表示され、自動的に接続が開始されます。

これだけで、あなたの通信はすべて暗号化され、あなた専用の固定IPアドレスを経由するようになります。接続が完了すると、アプリ上に新しいIPアドレスが表示され、正しく接続できていることを確認できます。

固定IPオプションの解約手順

NordVPNの固定IPオプションを解約したい場合、その手続きはVPNプラン本体のサブスクリプション管理と連動しています。固定IPだけを個別に解約するのではなく、VPNプランの「自動更新を停止」することで、次回の更新タイミングで固定IPの契約も同時に終了する形になります。

解約（自動更新の停止）手順は以下の通りです。

1. Nordアカウントにログイン: NordVPN公式サイトにアクセスし、ご自身のアカウントにログインします。
2. 請求セクションへ移動: ダッシュボードの左側メニューから「請求」をクリックします。
3. サブスクリプションタブを開く: 「請求」のページ内にある「サブスクリプション」タブを選択します。ここに、現在契約中のVPNプランや固定IPの情報が表示されています。
4. 自動更新を管理: 契約中のプランの横にある「管理する」というボタンをクリックします。
5. 自動更新をキャンセル: 「管理する」をクリックすると、詳細情報と共に「自動更新をキャンセルする」というリンクが表示されます。これをクリックし、画面の指示に従って手続きを完了させます。

この手続きを行うと、現在の契約期間が満了した時点で、VPNプランと固定IPオプションの両方の契約が自動的に終了します。契約期間が残っている間は、引き続きサービスを利用することが可能です。

なお、NordVPNには30日間の返金保証があり、この保証は固定IPオプションにも適用されます。もし契約から30日以内にサービスに満足できなかった場合は、自動更新の停止手続きとは別に、カスタマーサポートへ連絡して返金を申請することができます。

NordVPNの固定IPを賢く活用するための総括