Goodnotesを愛用する中で、多くの方が直面するのがiCloudの容量問題です。GoodnotesでiCloud容量を減らす方法を探していたり、そもそもGoodnotesはiCloudと同期しないとどうなるのか、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。実は、Goodnotesの保存先はiCloud以外にもGoogle DriveやOneDriveといった選択肢があり、データの保管場所を柔軟に変更できます。この記事では、Goodnotesの保存先変更の手順や注意点を詳しく解説します。Goodnotesの自動バックアップとiCloud同期の違いから、自動バックアップのタイミング、万が一Goodnotesの自動バックアップができない、またはGoodnotesがGoogle Driveに同期できないといったトラブルの対処法まで網羅。GoodnotesをGoogle Driveに保存する方法や、Goodnotesの保存先が本体になるのかといった基本的な疑問にもお答えし、あなたのデータを安全かつ快適に管理するための最適な方法をご提案します。
この記事のポイント
- iCloud同期と自動バックアップの明確な違い
- iCloud以外のクラウドストレージへの保存先変更手順
- 自動バックアップができない時の具体的な対処法
- データを安全に保つための設定と注意点
Goodnotesの保存先をiCloud以外にする選択肢
- GoodnotesをiCloud同期しないとどうなる?
- 自動バックアップとiCloud同期
- 保存先は本体にも可能か
- GoodnotesでiCloud容量を減らす主な方法
- 自動バックアップの実行タイミング
GoodnotesをiCloud同期しないとどうなる?
結論から言うと、GoodnotesでiCloud同期をしない場合、作成したノートは使用しているデバイス本体にのみ保存され、他のデバイスとは共有されません。例えば、通学中の電車内でiPhoneでチェックした講義ノートの続きを、大学のiPadで書き加える、といった連携ができなくなります。
iCloud同期の最も大きな役割は、Appleデバイス間でのシームレスなデータ連携です。この機能を有効にすることで、同じApple IDでサインインしている全てのデバイス上のGoodnotesライブラリが、常に最新の状態に保たれます。外出先のMacBookで取り込んだPDF資料に、自室のiPadで手書きの注釈を加える、といった効率的なワークフローを構築できるのは、iCloud同期があってこそです。
そのため、iCloud同期をオフにすると、利便性の低下だけでなく、データ保護の観点からも以下のような深刻なデメリットが生じる可能性があります。
iCloud同期をしない場合の具体的なデメリット
複数デバイスでの作業効率が著しく低下する
作成したノートはそのデバイス内に固定されてしまうため、デバイスをまたいだ作業は一切不可能です。「会社のWindows PCに今日の会議メモを送りたい」と思っても、一度手動で書き出し(エクスポート)てメールなどで送る手間が発生します。
予期せぬデータ消失のリスクが格段に高まる
データがデバイス本体にしか存在しない単一障害点(Single Point of Failure)の状態になります。デバイスの物理的な故障や紛失・盗難はもちろんのこと、「誤ってGoodnotesアプリを削除してしまった」「OSの不具合でデバイスの初期化が必要になった」といった場合、ノートのデータをすべて失うことになります。iCloud同期をしていれば、新しいデバイスでApple IDにサインインするだけで、ほぼすべてのデータを自動で復元できます。
このように、複数のAppleデバイスを活用して学習や仕事の効率を最大化したい方にとって、iCloud同期は不可欠な機能と言えます。ただ、iCloudのストレージ容量を節約したい、あるいはWindows PCなどAppleエコシステム以外のデバイスともデータを共有したい、という明確な目的がある場合には、次に解説する「自動バックアップ」機能の活用が、非常に有効な代替策となります。
自動バックアップとiCloud同期
Goodnotesにおけるデータ管理には、「iCloud同期」と「自動バックアップ」という2つの強力な機能がありますが、これらは似ているようで目的も仕組みも全く異なります。両者の本質的な違いを理解することが、ご自身の使い方に最適なデータ保護戦略を選ぶ上で極めて重要になります。
最大の違いは、iCloud同期が複数のデバイス間で常に同じ状態を保つための「双方向」の鏡(ミラーリング)であるのに対し、自動バックアップは万が一に備えてノートのコピーを別の金庫に保管しておく「一方向」の保険であるという点です。
どちらか一方しか使えないわけではありません。むしろ、両方の機能を有効にすることで、利便性と安全性を両立した最強のデータ保護体制を築くことができます。
それぞれの機能がどのようなユーザーに向いているのか、そして両者の詳細な違いを以下の表にまとめました。
項目 | 自動バックアップ(保険) | iCloud同期(利便性) |
---|---|---|
目的 | データのコピーを安全な場所に保管 (バックアップ) | 複数デバイスのデータを常に最新の状態に保つ (同期) |
データの流れ | 一方向 (Goodnotes → クラウドストレージ) | 双方向 (デバイス ↔ iCloud ↔ 他デバイス) |
対応ストレージ | Dropbox, Google Drive, OneDriveなど | AppleのiCloudのみ |
データへのアクセス | クラウドストレージ経由でファイルとして直接閲覧・ダウンロード可能(PDF形式の場合) | Goodnotesアプリを通してのみアクセス可能 |
データ復元 | 手動でファイルをGoodnotesに再読み込み(インポート)する必要がある | 新しいデバイスでiCloudにサインインすれば自動でデータが復元される |
アプリ内の変更反映 | クラウド上のバックアップファイルを変更・削除しても、アプリ内のノートには影響しない | あるデバイスでノートを削除すると、他のデバイスからも即座に削除される |
向いているユーザー | Windows PCユーザー、iCloud容量を節約したい方、データの二重保護をしたい慎重な方 | iPad, iPhone, Macなど複数のApple製品を使いこなす方、シームレスな作業環境を求める方 |
この表から分かるように、iCloud同期は日々の利便性を高めるための機能、自動バックアップは不測の事態に備えるための安全対策としての機能と考えると、その役割が明確になります。誤ってノートを削除してしまっても、自動バックアップがあれば過去のバージョンから復元できる可能性がある、という大きな安心感を得られるのが最大のメリットです。
保存先は本体にも可能か
はい、その通りです。というよりも、Goodnotesのデータは、クラウド機能の利用有無にかかわらず、まず第一にお使いのiPadやiPhoneの本体(内部ストレージ)に保存されています。ユーザーがノートに文字を書き込むたびに、そのデータはリアルタイムでデバイス本体に記録されているのです。
iCloud同期や自動バックアップといったクラウド機能は、このデバイス本体に保存されている「オリジナルデータ」を元にして動作します。つまり、クラウド上のデータは、あくまで本体データの「同期コピー」または「バックアップコピー」という位置づけになります。この関係性を理解しておくことは、トラブルシューティングの際に非常に役立ちます。
データの保存場所と流れの仕組み
- ユーザーがノートを作成・編集すると、データはまずデバイス本体のストレージに保存されます。これが全ての基本となるオリジナルデータです。
- iCloud同期がオンの場合:本体データの変更が検知されると、その内容がiCloudサーバーにアップロードされ、同じApple IDで連携された他のデバイスにダウンロード(同期)されます。
- 自動バックアップがオンの場合:本体データの変更が検知されると、ファイル全体が指定した外部クラウドストレージ(Google Driveなど)にコピーとしてアップロード(バックアップ)されます。
このため、Goodnotesで大量のノートを作成したり、高画質なPDFや画像を読み込んだりすると、デバイス本体のストレージ容量が圧迫されていきます。ご自身のデバイスでGoodnotesがどれくらいの容量を使用しているかは、以下の手順で確認できます。
「設定」アプリ →「一般」→「iPadストレージ(またはiPhoneストレージ)」→ 一覧から「Goodnotes」を探してタップ
本体ストレージの空きが少なくなると、iPad全体の動作が遅くなったり、新しいアプリがインストールできなくなったりする原因にもなります。クラウドを利用しているからといって本体のデータが不要になるわけではないため、定期的なデータ整理も重要です。
GoodnotesでiCloud容量を減らす主な方法
Goodnotesは非常に便利なアプリですが、iCloudの無料ストレージプラン(5GB)を利用しているユーザーにとっては、そのデータ量が悩みの種です。高解像度のノートが増えるにつれてiCloudの容量は急速に消費され、やがて「iCloudストレージの空き領域がありません」という警告が表示されることになります。ここでは、その問題を解決するための具体的な方法を2つ紹介します。
方法1:ライブラリを整理し、不要なノートを完全に削除する
最も直接的で、すぐに取り組めるのがライブラリ内のデータ整理です。不要になった講義ノート、読み終えたPDF資料、一時的なメモなどを定期的に見直して削除しましょう。特に、写真やスキャン画像を多用したページは、1冊のノートでも数百MBに達することがあります。
ここで重要なのは、削除したノートは一旦アプリ内の「ゴミ箱」に移動するだけという点です。iCloud上の容量を完全に解放するためには、ゴミ箱を空にする操作が必須です。ゴミ箱は、Goodnotesの書類画面右上にある歯車アイコンから「ゴミ箱」を選択し、画面右上の「選択」→「すべてを削除」をタップすることで完全に空にできます。
方法2:iCloud同期をオフにし、外部クラウドへの自動バックアップに切り替える
iCloudの容量を根本的に節約したい場合の最も効果的な手段が、GoodnotesのiCloud同期を無効化し、代わりに大容量の無料プランを提供する外部クラウドストレージへの自動バックアップに切り替える方法です。
例えば、Google Driveは無料で15GB、MicrosoftのOneDriveは無料で5GBの容量を提供しており、これらはAppleが提供するiCloudの無料プランよりも大幅に大きいものです。(出典:Microsoft公式サイト) これらのサービスを自動バックアップ先に指定すれば、iCloudの容量を一切消費せずにノートのバックアップを確保できます。
この方法の最大の利点は、iCloudストレージを写真や連絡先、他のアプリのデータ同期のために温存できる点にあります。Appleは有料でストレージを拡張できる「iCloud+」プランも提供していますが、まずは無料の代替手段を試す価値は十分にあります。ただし、前述の通り、iCloud同期をオフにするとAppleデバイス間のリアルタイム同期はできなくなるため、その利便性とストレージ容量の節約を天秤にかけ、ご自身の使い方に合った方法を選択してください。
自動バックアップの実行タイミング
自動バックアップは設定さえすれば自動で実行される便利な機能ですが、その動作はリアルタイムではありません。「いつ」「どのような条件で」データがクラウドにアップロードされるのか、そのタイミングを正確に把握しておくことで、いざという時に「バックアップが取れていなかった」という事態を防ぐことができます。
結論として、自動バックアップはユーザーがノートに変更を加えた後、アプリがその変更を検知し、ネットワークが安定している状況で不定のタイミングで実行されます。
初回のバックアップ
この機能を初めて有効にした際には、Goodnotesライブラリ内に存在する全てのノートやフォルダがバックアップの対象となります。データ量が10GBを超えるような場合は、この初回のバックアップに数時間以上かかることもあります。処理が完了するまでは、iPadを電源に接続し、Goodnotesアプリを開いたままにしておくことが推奨されます。
2回目以降の差分バックアップ
大規模な初回バックアップが完了した後は、新しく作成されたノートや、何らかの変更が加えられたノートのみが「差分」としてバックアップの対象となります。これにより、日々の通信量や処理時間は大幅に短縮され、バッテリー消費も最小限に抑えられます。
バックアップ処理が開始される主なきっかけ
- 新しいノートを作成・インポートした時
- 既存のノートに手書き文字やテキスト、画像を追加・編集した時
- ページの順番を追加・削除・並べ替えた時
- ノートやフォルダの名前を変更した時
- アプリを起動した時(前回の起動時から変更があった場合)
重要なのは、これらの変更が即座にバックアップされるわけではないという点です。アプリがバックグラウンドで処理を開始するまでには、ある程度の時間がかかる場合があります。現在のバックアップ状況を確認したい場合は、書類画面の左上にあるナビゲーションバー(書類、よく使う項目などが並んでいる場所)の右端に表示される同期アイコンをタップすることで、進捗状況を確認できます。「!」マークが表示されている場合は、何らかの理由でアップロードに失敗していることを示しています。
Goodnotes保存先をiCloud以外へ設定する方法
- クラウド保存先を変更する手順
- Google Driveに保存する設定
- 保存先をOneDriveに設定
- 自動バックアップができない原因
- Google Driveへ同期できない場合の対処法
クラウド保存先を変更する手順
Goodnotesのバックアップ保存先を、iCloud以外の主要なクラウドストレージ(Google Drive, OneDrive, Dropbox)に変更する設定は、アプリ内から数分で完了します。この設定を行うことで、iCloudの容量を気にすることなく、大切なノートのバックアップを安全に、そして無料で保管できるようになります。
ここでは、その設定手順をステップバイステップで詳しく解説します。
操作はとても簡単です。この記事を見ながら一緒に設定を進めて、大切なデータを守りましょう!
ステップ1:設定画面を開く
まず、Goodnotesのメイン画面(書類一覧が表示されている画面)の右上にある歯車アイコン(⚙)をタップします。するとドロップダウンメニューが表示されるので、その中から「クラウドとバックアップ」を選択してください。
ステップ2:自動バックアップ機能を有効にする
次に、表示された画面の中ほどにある「自動バックアップ」の項目をタップします。新しい画面に切り替わったら、一番上にある「自動バックアップ」という項目の右側にあるトグルスイッチをタップして、オン(緑色)の状態にしてください。
ステップ3:バックアップ先のクラウドストレージを選択する
自動バックアップを有効にすると、その直下にある「クラウドストレージ」という項目がタップできるようになります。ここをタップし、バックアップ先にしたいサービス(Dropbox, Google Drive, OneDrive のいずれか)を選んでください。
ステップ4:選択したアカウントにサインインし連携を許可する
クラウドストレージを選択すると、自動的にそのサービスのサインイン画面が表示されます。バックアップに使用したいアカウントのID(メールアドレス)とパスワードを入力してサインインし、「Goodnotesがあなたのファイルにアクセスすることを許可しますか?」といった趣旨の確認画面が表示されたら、「許可」や「承諾」をタップします。認証が正常に完了すると、自動的にGoodnotesの設定画面に戻ります。
ステップ5:ファイル形式と保存場所を設定して完了
最後に、バックアップに関する詳細設定を行います。特に重要なのが「ファイルフォーマット」の選択です。
ファイルフォーマットの選び方
Goodnotes形式:Goodnotesでの再編集が可能な形式。ただし、Goodnotesアプリがないと開けません。
PDF形式:編集はできませんが、PCやスマートフォンなど、どんなデバイスでも閲覧できる汎用性の高い形式。
両方:上記の2つの形式で、同じノートが2つのファイルとしてバックアップされます。ストレージ容量を最も消費しますが、編集の可能性と閲覧の利便性を両立できるため、最もおすすめの設定です。
ファイルフォーマットを選んだら、必要に応じて「バックアップ先フォルダ」の名前を指定し、画面右上の「完了」をタップすれば全ての設定は終了です。これ以降、ノートに変更が加わるたびに、指定したクラウドストレージへ自動的にバックアップが作成されるようになります。
Google Driveに保存する設定
Googleの公式サイトによると、無料で15GBという大容量のストレージが利用できるGoogle Driveは、Goodnotesのバックアップ先として最も人気のある選択肢の一つです。ここでは、保存先をGoogle Driveに設定する際の具体的な手順と、知っておくべき特有の仕様について詳しく解説します。
基本的な設定手順は前の項目で説明した通りですが、Google Driveならではのポイントをしっかり押さえておきましょう。
設定手順の再確認
- Goodnotesアプリ右上の歯車アイコン → クラウドとバックアップ → 自動バックアップ を開きます。
- 「自動バックアップ」のトグルスイッチをオンにします。
- 「クラウドストレージ」で Google Drive を選択します。
- お持ちのGoogleアカウントでサインインし、画面の指示に従ってGoodnotesからのアクセスを許可します。
- ファイルフォーマットを、ご自身の用途に合わせて「PDF」「Goodnotes」、または両方を選択します。(両方を選択するのがおすすめです)
- 画面右上の「完了」をタップして設定を保存します。
Google Driveユーザーへの重要な注意点
Goodnotesの公式サポート情報にも記載がありますが、Google Driveをバックアップ先に設定した場合、データはGoogle Driveのルートフォルダ(一番上の階層)に「Goodnotes」という名前のフォルダが自動で作成され、その中に一括で保存されます。他のクラウドストレージのように、保存先のサブフォルダを「Goodnotes/仕事用」のように細かく指定することはできない現在の仕様となっています。この点をあらかじめ理解しておきましょう。
設定が完了すると、あなたのGoogle Drive内に「Goodnotes」フォルダが自動生成され、その中にGoodnotesアプリのライブラリと同じフォルダ構造が再現される形で、ノートのバックアップファイルが保存されていきます。PDF形式でのバックアップを設定していれば、Goodnotesがインストールされていない会社のWindows PCからでも、ブラウザでGoogle Driveにアクセスして講義ノートや会議の議事録を確認・印刷できるため、活用の幅が大きく広がります。
保存先をOneDriveに設定
日頃からWordやExcelなどのMicrosoft 365サービスを利用している方にとって、OneDriveは最も親和性の高いバックアップ先の選択肢となります。特にWindows PCとの連携はスムーズで、ファイル管理を一元化したい場合に非常に便利です。設定方法は他のクラウドストレージと同様に簡単に行えます。
OneDriveへの設定手順
基本的な設定の流れはGoogle Driveの場合と全く同じです。迷うことなく設定できるでしょう。
- Goodnotesの書類一覧画面、右上の歯車アイコンから「クラウドとバックアップ」へと進みます。
- 「自動バックアップ」を選択し、まだオフの場合は機能を有効化(トグルスイッチをオン)します。
- 「クラウドストレージ」の項目で「OneDrive」を選択してください。
- お使いのMicrosoftアカウント(@outlook.comなど)でサインインし、Goodnotesにファイルへのアクセス許可を与えます。
- ファイルフォーマット(PDF、Goodnotes形式、またはその両方)を、ご自身の利用スタイルに合わせて選択します。
- 最後に右上の「完了」をタップすれば、すべての設定は完了です。
OneDriveの大きな利点:バックアップ先フォルダを自由に指定可能
OneDriveをバックアップ先に選んだ場合の大きなメリットとして、バックアップデータを保存するフォルダを非常に柔軟に指定できる点が挙げられます。設定画面の「バックアップ先フォルダ」という欄に、例えば「Goodnotes/大学の講義/2025年度前期/専門科目A」のように、スラッシュ(/)で区切って深い階層のサブフォルダを指定することも可能です。これにより、クラウドストレージ上でもデータを細かく整理・管理したい方にとっては、非常に使い勝手の良い環境を構築できます。
設定後、指定したフォルダ内にGoodnotesのノートが自動的にバックアップされていきます。これにより、万が一iPadに物理的なトラブルが発生した場合でも、大切な学習記録や仕事の資料を失う心配から解放されます。特にWindowsユーザーの方は、第一候補としてOneDriveとの連携を検討する価値が大いにあるでしょう。
自動バックアップができない原因
「自動バックアップを正しく設定したはずなのに、クラウドストレージを確認してもファイルが一つも保存されていない」というトラブルは、決して珍しくありません。しかし、その原因は多くの場合、基本的な設定の見落としや環境の問題にあります。慌てずに、以下の4つのポイントを一つずつ確認してみてください。
ほとんどのケースでは、これらのいずれか、あるいは複合的な要因が関係しています。
1. クラウドストレージの容量不足
これは最も頻繁に見られる原因です。バックアップ先のGoogle DriveやOneDriveの無料プランで提供される容量の上限に達していると、それ以上新しいファイルをアップロードできずにエラーとなります。Goodnotesのデータは、PDFや画像を多用すると数GBに達することも珍しくありません。まずは各クラウドストレージの公式サイトやアプリにログインし、空き容量が十分にあるかを真っ先に確認しましょう。
2. インターネット接続の不安定さ
自動バックアップは、当然ながら安定したインターネット接続を必要とします。Wi-Fiの電波が弱い場所や、公共のフリーWi-Fiなど接続が頻繁に途切れる環境では、大きなファイルのアップロードに失敗しやすくなります。自宅や職場の安定したWi-Fi環境で、再度バックアップが進行するかどうかを確認してください。また、Goodnotesの設定でモバイルデータ通信でのアップロードを許可していない場合、Wi-Fiに接続されていない限りバックアップは実行されません。
3. アカウント認証の有効期限切れ
セキュリティ上の理由から、クラウドサービスとアプリの連携(認証)には有効期限が設けられていることがあります。また、クラウドストレージ側のパスワードを変更した場合、Goodnotesとのアカウント連携が自動的に解除されてしまうことがあります。この場合、一度Goodnotesの自動バックアップ設定画面で「サインアウト」し、再度同じアカウントで「サインイン」し直すことで認証情報が更新され、問題が解決することがほとんどです。
4. アプリやOSのバージョンが古い
見落としがちですが、重要なポイントです。Goodnotesアプリ本体や、iPadOS/iOSのバージョンが古いままになっていると、クラウドサービスが要求する最新のセキュリティ基準やAPI(プログラムの連携仕様)に対応できず、連携に不具合が生じることがあります。App StoreでGoodnotesのアップデートが配信されていないか、またiPadの「設定」アプリでOSのアップデートがないかを確認し、ソフトウェアを常に最新の状態に保つことを強くお勧めします。
Google Driveへ同期できない場合の対処法
数あるクラウドストレージの中でも特に利用者の多いGoogle Driveですが、「設定は正しいはずなのにファイルが同期されない」というご相談をよくいただきます。ここでは、一般的な原因の確認に加えて、Google Driveとの連携に特化した対処法をステップ形式で解説します。
もしこれらの手順を試しても問題が解決しない場合は、最終手段として、一度Goodnotesの自動バックアップ設定をオフにし、アプリを再起動してから、再度最初から設定をやり直してみるのも有効です。
ステップ1:すべての基本的な原因を再確認する
トラブルシューティングの基本は、簡単なところからの確認です。まず、前の項目で挙げた「自動バックアップができない4つの原因」を、もう一度丁寧に見直してください。
- Google Driveの空き容量は十分か? ( Google Oneのストレージ管理ページから確認 )
- iPadは安定したWi-Fiに接続されているか?
- GoodnotesアプリとiPadOS/iOSは最新バージョンにアップデート済みか?
これらの基本事項に一つでも問題があれば、それが直接的な原因である可能性が高いです。
ステップ2:Googleアカウントの連携をリフレッシュする
基本的な環境に問題がない場合、次に試すべきはアカウントの再認証です。GoodnotesとGoogleの間の連携情報が何らかの理由で古くなったり破損したりすると、同期が停止することがあります。
アカウント再認証の具体的な手順
- Goodnotesの「設定」→「クラウドとバックアップ」→「自動バックアップ」設定画面を開きます。
- 現在サインインしているGoogleアカウント名の下にある、「Google Driveからサインアウト」の赤文字をタップします。
- iPadのホーム画面に戻り、Appスイッチャー(ホームボタンを2回押すか、画面下から上にスワイプして長押し)を開き、Goodnotesアプリを上にスワイプして完全に終了させます。
- 再度Goodnotesアプリを起動し、もう一度自動バックアップ設定画面を開きます。
- 改めて「クラウドストレージ」でGoogle Driveを選択し、画面の指示に従ってサインインします。
この一連の操作により、GoodnotesとGoogleの間の認証情報(APIトークン)が完全にリフレッシュされ、多くの場合、正常に通信できるようになります。
ステップ3:特殊なファイル名やフォルダ名を確認する
これは非常に稀なケースですが、ノートブックやフォルダの名前に、Google Driveがファイルパスとして処理できない特殊な記号(例: / , \ , : , * , ? , " , < , > , | など)が使われていると、その特定のファイルだけが同期に失敗することがあります。同期エラーを示す「!」マークが特定のファイルにだけ付いている場合は、一度そのファイルの名前を、英数字と日本語のみのシンプルなものに変更して、同期が再開されるか試してみてください。
Goodnotes保存先をiCloud以外にする際の注意点を総括
この記事では、Goodnotesの保存先をiCloud以外に設定する方法とそのメリットについて解説してきました。最後に、設定を変更する前に必ず理解しておくべき重要なポイントを、注意点としてリスト形式でまとめます。
- iCloud同期はデバイス間のリアルタイムな状態共有が目的
- 自動バックアップはデータのコピーを別場所に保管する一方向のプロセス
- iCloud以外の保存先にはGoogle Drive、OneDrive、Dropboxが利用可能
- 自動バックアップ機能の利用はiCloudストレージ容量の節約に直結する
- 設定はGoodnotesアプリ内の「クラウド&バックアップ」から簡単に行える
- バックアップファイルの保存形式は「PDF」と「Goodnotes形式」から選択可能
- PCなどGoodnotesがないデバイスで閲覧するにはPDF形式を含めるのが必須
- 自動バックアップは初回実行時に全データが対象となるため時間がかかる場合がある
- バックアップに失敗する主な原因はクラウドの容量不足やネットワークの問題
- クラウドストレージへの再サインインで認証問題が解決することが多い
- 自動バックアップは一方向のためクラウド上でファイルを変更してもアプリには反映されない
- この非反映は、バックアップが同期ではないことの証明でもある
- バックアップデータからノートを復元するには手動でファイルを読み込む作業が必要
- データの安全性を最大限に高めるにはiCloud同期と自動バックアップの併用が最も効果的
- 保存先の変更や設定を行う際は、これらの特性と注意点を十分に理解しておくことが重要