Goodnotesは、多くの学生や社会人に愛用されている人気のノートアプリです。その多機能さの中でも、特に効率的な暗記をサポートする機能として注目されているのが「学習セット」です。しかし、「従来のフラッシュカードとの違いがわからない」「もっと便利な使い方が知りたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、Goodnotes 学習セットとは何かという基本的な疑問から、Ankiなどの他の暗記アプリとの比較、さらには学習効率を飛躍的に向上させる応用テクニックまで、網羅的に解説します。エクセルやCSVを使ったカードの大量作成、作成したセットの書き出しや共有、PDFや画像を取り込んだ視覚的な暗記、問題と解答を逆にする学習法、読み上げ機能の活用、そして複数のセットの統合管理まで、あなたが知りたい情報がきっと見つかるはずです。この記事を読めば、Goodnotesの学習セットを最大限に活用し、暗記学習を次のレベルへと引き上げることができるでしょう。
この記事のポイント
- Goodnotes学習セットの基本機能と特徴がわかる
- 科学的根拠に基づいた効率的な暗記の仕組みを理解できる
- 他の暗記ツール(フラッシュカードやAnki)との違いが明確になる
- CSV連携や共有機能など、学習効率を高める応用テクニックを習得できる
Goodnotesの学習セットとは?基本機能を解説
- 学習セットとフラッシュカードの違い
- 学習セットとAnkiを比較
- 学習セットは逆方向からも出題可能
- 学習セットは画像も取り込める
- 学習セットへPDFを読み込む方法
学習セットとフラッシュカードの違い
Goodnotesには以前から「フラッシュカード」という機能がありましたが、「学習セット」はこれをさらに進化させた、より高機能な暗記ツールです。
最大の違いは、科学的な学習理論である「間隔反復」のアルゴリズムを導入している点にあります。従来のフラッシュカードが単純な一問一答形式のカード機能だったのに対し、学習セットはユーザーの習熟度に合わせて最適なタイミングで問題を出題してくれます。これにより、忘れかける直前に復習する機会が自動的に作られ、記憶の定着が効率的に行われるのです。
言ってしまえば、ただの単語帳から、パーソナルな学習コーチが付いた暗記システムに進化したようなものです。具体的な機能の違いを以下の表にまとめました。
機能 | 学習セット (新) | 従来のフラッシュカード (旧) |
---|---|---|
復習タイミング | アルゴリズムによる自動最適化 | 手動での管理が必要 |
出題方式 | スマート学習、練習モード | 単純なカードめくり |
インポート機能 | CSVファイル対応 | 非対応 |
手書き・画像 | 両方対応 | 両方対応 |
このように、学習セットは暗記の「効率」と「持続性」を重視して設計されており、単にカードを作成するだけでなく、その後の復習プロセスまでを強力にサポートしてくれる機能と言えます。
学習セットとAnkiを比較
暗記アプリの代表格として「Anki」が有名ですが、Goodnotesの学習セットはどのような違いがあるのでしょうか。結論から言うと、手軽さとシームレスな連携を求めるなら学習セット、高度なカスタマイズ性を求めるならAnkiが適しています。
Goodnotes 学習セットの最大の強みは、ノート作成から暗記学習までを一つのアプリ内で完結できる手軽さです。授業で取ったノートや読み込んだPDF資料から、重要箇所を直接コピーしたり、スクリーンショットを撮ったりして、シームレスに暗記カードを作成できます。この「いつもの学習環境でそのまま暗記に入れる」という体験は、他のアプリにはない大きなメリットです。
一方、Ankiは暗記に特化したアプリであり、拡張機能(アドオン)によるカスタマイズの自由度が非常に高いのが特徴です。出題間隔のアルゴリズムを細かく調整したり、多様なカード形式を利用したりと、本格的に暗記を極めたいユーザーにとっては魅力的な選択肢となります。ただし、その分、初期設定や操作に慣れが必要な側面もあります。
それぞれのメリット・デメリット
Goodnotes 学習セット
- メリット:Goodnotes内で完結、操作が直感的、手書きや画像の自由度が高い
- デメリット:カスタマイズ性はAnkiに劣る、暗記専用の高度な機能は少ない
Anki
- メリット:カスタマイズ性が高い、多数のデバイスに対応、共有デッキが豊富
- デメリット:操作がやや複雑、Goodnotesからのデータ連携には手間がかかる
どちらが良いというわけではなく、自身の学習スタイルや目的に合わせて選ぶことが重要です。まずはGoodnotesの学習セットから始めてみて、物足りなさを感じたらAnkiを検討するというのも一つの手でしょう。
学習セットは逆方向からも出題可能
学習セットの便利な機能の一つに、問題と解答を入れ替えて出題する「逆方向学習」があります。これは、知識を多角的に確認し、記憶の定着をより強固にする上で非常に有効です。
例えば、英単語の学習を考えてみましょう。「apple → りんご」という一方向だけで覚えていると、いざ「りんご」を英語で言おうとしたときに「apple」がすぐに出てこない、という経験はありませんか。学習セットを使えば、これを防ぐことができます。
逆方向学習の活用例
- 語学学習:「日本語→外国語」「外国語→日本語」の両方でテスト
- 歴史学習:「出来事→年号」「年号→出来事」で記憶を確かめる
- 化学学習:「化学式→物質名」「物質名→化学式」で理解度をチェック
この機能により、単なる「見てわかる」レベルから、能動的に「思い出せる」レベルへと知識を引き上げることが可能になります。学習セットを作成するだけで特別な設定は不要で、学習モードの選択画面で簡単に出題方向を切り替えられます。
学習セットは画像も取り込める
学習セットの大きな魅力は、テキストだけでなく画像も自由にカードへ取り込める点です。これにより、文字だけでは覚えにくい情報を視覚的に暗記することができます。
私たちの脳は、文字情報よりも視覚情報を記憶しやすい特性を持っています。このため、図やイラスト、写真などを活用することは、暗記効率を大幅に向上させる上で非常に効果的です。特に、以下のような分野の学習でその真価を発揮します。
視覚的暗記が有効な学習分野
- 医学・生物学:解剖図や細胞の構造図などを貼り付け、部位の名称を覚える。
- 化学:複雑な化学構造式を図で取り込み、その特徴や名称を記憶する。
- 地理・歴史:地図や歴史的な絵画、文化財の写真をカード化し、関連情報を覚える。
- 美術:作品の画像を問題にし、作者名や制作年、様式などを解答にする。
操作は非常に簡単で、iPadの写真アプリやWebブラウザから画像をドラッグ&ドロップしたり、コピー&ペーストしたりするだけです。手書きのノートと同じ感覚で、直感的にリッチな暗記カードを作成できるのは、Goodnotesならではの強みと言えるでしょう。
学習セットへPDFを読み込む方法
Goodnotesの学習セットは、外部のPDF資料を読み込み、その内容を直接、暗記カードの素材として活用できるため、学習の準備にかかる時間を大幅に短縮できます。
通常、参考書や講義資料の内容を暗記カードにする場合、一度内容をノートに書き写したり、PCで入力し直したりする手間が発生します。しかし、Goodnotesを使えば、その必要はありません。
具体的な手順は以下の通りです。
- まず、学習したいPDFファイル(講義スライド、電子書籍、問題集など)をGoodnotesに読み込みます。
- 次に、そのPDFを開いたまま、iPadのSplit View(画面分割)機能を使って、隣に学習セットの編集画面を開きます。
- PDFの中からカード化したい部分(テキストや図表)を「なげなわツール」で選択し、スクリーンショットを撮ります。
- 最後に、撮ったスクリーンショットを学習セットの編集画面にドラッグ&ドロップするだけで、カードが完成します。
この方法を使えば、教科書の大事な図表や、問題集で間違えた問題などを、数秒で暗記カードに変えることができます。参考書の内容をすべてGoodnotesに集約することで、学習全体を効率化する第一歩となります。
Goodnotesの学習セットとは?効率化する活用術
- 学習セットはエクセルとCSVで効率化
- 学習セットを統合しまとめる機能
- 学習セットの書き出しと保存方法
- 学習セットの共有機能で共同学習
- 学習セットの読み上げ機能の活用法
学習セットはエクセルとCSVで効率化
学習セットの最も画期的な機能の一つが、Microsoft ExcelやGoogleスプレッドシートで作成したリストを、CSVファイル経由で一括インポートできる点です。
何十、何百という数の暗記カードを一つずつ手で作成するのは非常に時間がかかります。しかし、この機能を使えば、その作業を劇的に効率化できます。例えば、Webサイトに掲載されている単語リストや、自分でPCでまとめた用語集などを、一瞬で学習セットに変換することが可能です。
CSVファイル作成のポイント
作成方法は至ってシンプルです。
- エクセルやスプレッドシートを開き、A列に「問題」、B列に「解答」を入力していきます。
- 入力が完了したら、ファイルを保存する際に、ファイル形式として「CSV(カンマ区切り)」を選択します。
作成したCSVファイルをiPadに送り、Goodnotesアプリで開くだけで、自動的に新しい学習セットが生成されます。これまで暗記カード作りに費やしていた時間を、本来の目的である「覚える」時間にあてることができる、非常に強力な機能です。
CSVファイルを保存する際の文字コードは「UTF-8」が推奨されています。異なる文字コードで保存すると、インポート時に文字化けが発生する可能性があるため注意してください。
学習セットを統合しまとめる機能
科目や単元ごとに複数の学習セットを作成していくと、「テスト前に全部まとめて復習したい」という場面が出てきます。Goodnotesでは、フォルダ機能を活用することで、複数の学習セットを擬似的に統合し、一括で学習することができます。
現状、複数の学習セットを一つのファイルに完全にマージ(結合)する直接的な機能はありません。しかし、関連する学習セットを一つのフォルダにまとめておくことで、管理がしやすくなり、連続して学習を進めることが可能になります。
フォルダを使った学習セットの管理手順
- Goodnotesの書類画面で、新規にフォルダを作成します。(例:「期末テスト対策」)
- 関連する学習セット(「英単語 第1章」「歴史 年号」など)を、作成したフォルダにドラッグ&ドロップで移動させます。
- フォルダを開けば、関連セットだけが表示されるため、一つずつ順番に学習を進められます。
このように、学習の目的や時期に合わせてフォルダでセットを整理することで、大量のカードの中から目的のものを探す手間が省け、計画的な復習がしやすくなります。
学習セットの書き出しと保存方法
時間をかけて作成した学習セットは、大切な学習資産です。Goodnotesには、作成したデータを書き出してバックアップする機能が備わっており、万が一の事態に備えることができます。
学習セットは、「.goodnotes」というGoodnotes独自のファイル形式で書き出すことが可能です。このファイルには、テキスト、手書きの文字、貼り付けた画像など、すべての情報が完全に保持されます。
書き出し機能の主なメリット
- データバックアップ:iCloud DriveやDropboxなどのクラウドストレージに保存しておけば、iPadの故障や紛失時にもデータを復元できます。
- デバイス間のデータ移行:新しいiPadに買い替えた際などに、簡単に学習データを移行できます。
- 他人との共有:書き出したファイルを友人などに渡せば、同じ学習セットを共有できます。(ただし、相手もGoodnotesアプリが必要です)
前述の通り、GoodnotesにはiCloudによる自動同期機能もありますが、手動で特定の時点のデータを保存しておきたい場合や、特定のセットだけを誰かに渡したい場合には、この書き出し機能が非常に役立ちます。
学習セットの共有機能で共同学習
一人で黙々と勉強するだけでなく、友人や学習仲間と協力して学習を進めたい場合に、学習セットの「共有機能」が非常に便利です。
この機能を使うと、特定の学習セットへの共有リンクを生成できます。そのリンクを知っている人であれば、誰でもその学習セットにアクセスし、内容を閲覧したり、さらには共同で編集したりすることが可能になります。
例えば、試験範囲が広い場合、「私は前半の50問、君は後半の50問を担当して、一緒に問題集を作らない?」といった協力が簡単に実現します。一人がカードを追加・修正すると、共有している他のメンバーの画面にもリアルタイムで変更が反映されるため、効率的に共同作業を進めることができます。
この機能は、学習塾や学校のクラスで共通の問題集を作成したり、グループ学習で互いの理解度を確認し合ったりと、様々な場面で活用できるでしょう。学習の個別最適化が進む一方で、このような「協調学習」を手軽に実現できるのも、デジタルツールならではの魅力です。
学習セットの読み上げ機能の活用法
学習セットに入力したテキストは、iPadOSやiOSに標準搭載されている「読み上げ」機能を使って、音声で聞くことができます。これにより、視覚だけでなく聴覚も使った学習が可能になります。
特に、通勤・通学中の電車内や、家事をしながらなど、手がふさがっていて画面を見られない「スキマ時間」を有効活用するのに最適です。
読み上げ機能の具体的な活用シーン
- 語学学習:英単語とその意味を交互に読み上げさせ、リスニングと暗記を同時に行う。正しい発音の確認にもなります。
- 単純暗記:歴史の年号や法律の条文など、繰り返し聞いて記憶に刷り込みたい内容を聞き流す。
- 復習:一度学習した内容を音声で聞き返すことで、記憶を再確認し、定着を促す。
この機能を利用するには、事前にiPadやiPhoneの設定アプリから「アクセシビリティ」>「読み上げコンテンツ」で「選択項目の読み上げ」や「画面の読み上げ」をオンにしておく必要があります。設定さえ済ませておけば、いつでも手軽に耳からの学習を取り入れることができます。
Goodnotesの学習セットとは?要点を総括
- 学習セットは間隔反復アルゴリズムを搭載した高機能な暗記ツール
- ユーザーの習熟度に合わせて最適なタイミングで復習を促す
- 従来のフラッシュカード機能を進化させたもの
- ノート作成から暗記までGoodnotes内で完結する手軽さが魅力
- 高度なカスタマイズ性を持つAnkiとは異なるメリットがある
- 問題と解答を入れ替える逆方向学習で知識の定着を深める
- 画像を取り込んで視覚的に覚えられ暗記効率が向上する
- PDF資料から直接カードを作成でき準備時間を短縮できる
- エクセルやCSVで作成したリストを一括でインポート可能
- フォルダ機能で複数の学習セットをまとめて管理できる
- .goodnotes形式で書き出してバックアップやデータ移行ができる
- 共有リンクを使えば複数人での共同編集も可能になる
- OSの読み上げ機能と連携して耳からの学習にも活用できる
- テキスト、手書き、画像を組み合わせた自由なカード作成に対応
- スキマ時間を活用した効率的な学習を実現する強力な味方