Amazon フォトとGoogle フォト、どちらの写真ストレージサービスを選ぶべきか悩んでいませんか。多くの方が写真や動画の保存先に頭を悩ませており、特にスマートフォンのカメラ性能向上に伴うデータ容量の肥大化で、本体ストレージの容量不足は深刻な問題です。この記事では、多くの方が注目するAmazonフォトとGoogleフォトの料金プラン徹底比較から始めます。
まず、容量無制限はどっちなのか、そして写真や動画の保存条件を比較しながら、それぞれのサービスがどのようなユーザーに適しているかを明らかにします。大切な思い出を最高の状態で残すために、画質・圧縮の違いや、オリジナル画質で保存できるのはどっちかという点は、ストレージ選びで最も重要な判断基準の一つでしょう。ここも深く掘り下げて解説します。
さらに、データ量が大きくなりがちな動画の保存・バックアップはAmazonとGoogle、どちらが有利か、サービスの核となるアルバムや共有機能、使いやすさを比較検討します。使い勝手は継続利用の鍵を握るため、AI機能の違いなどにも注目します。
ミラーレス一眼など本格的なカメラにこだわる方にとっては、RAWデータやRAWファイルの保存に対応しているのはどちらかも見逃せないポイントです。本記事では、単純な比較に留まらず、GoogleフォトとAmazonフォトを賢く併用するメリットと具体的な方法も提案します。そして、多くの方が知りたいGoogleフォトからAmazonフォトへ写真を移行する具体的な手順も詳細に解説しました。
スマホ、つまりiPhoneやAndroidだけで移行を完結させる方法は現実的なのか、その可否や、移行時に写真が重複しないようにする設定と注意点も網羅しています。逆に、AmazonフォトからGoogleフォトへデータを移行する方法はあるのか、またiCloudも比較対象に加え、iPhoneユーザーに最適な写真ストレージの組み合わせは何か、といった多角的な疑問にもお答えしていきます。本記事が、あなたのデジタル写真管理の悩みを解決し、最適な環境を構築するため一助となれば幸いです。
この記事のポイント
- AmazonフォトとGoogleフォトの料金・容量・画質の違い
- 動画やRAWデータ保存における各サービスのメリット・デメリット
- GoogleフォトからAmazonフォトへの具体的なデータ移行手順と注意点
- iCloudを含めた、利用者タイプ別の最適なストレージ併用術
AmazonフォトとGoogle フォトを徹底比較
- AmazonフォトとGoogleフォトの料金プラン徹底比較
- 容量無制限と画質・圧縮、保存条件の比較
- 動画の保存・バックアップはAmazonとGoogle、どちらが有利?
- アルバム・共有機能 使いやすさを比較
- RAWデータ・RAWファイル の保存に対応しているのは?
- iCloudも比較 iPhoneユーザーに最適な写真ストレージの組み合わせは?
AmazonフォトとGoogleフォトの料金プラン徹底比較
写真や動画の保存先としてクラウドストレージを選ぶ上で、料金プランは最も重要な比較ポイントの一つです。GoogleフォトとAmazonフォトは、その料金体系の前提が根本的に異なります。
Googleフォトは、すべてのGoogleアカウントユーザーに対して無料で15GBのストレージが提供されます。この15GBという容量は、Googleフォト単体のものではなく、Gmailの送受信メールや、Googleドライブに保存されているファイルと共有される総容量である点に注意が必要です。日常的にGmailで大きな添付ファイルを受け取ったり、ドライブを活用したりしていると、15GBはすぐに一杯になってしまう可能性があります。容量が不足した場合、有料プランである「Google One」に加入することで、ストレージを追加購入できます。
一方、Amazonフォトは、Amazonプライム会員向けの豊富な特典の一つとして提供されているサービスです。Amazonプライム会員(年額5,900円または月額600円 ※2024年時点の料金)であれば、なんと写真に限り、オリジナル画質のまま容量無制限で利用可能です。この「写真のみ無制限」というのが最大のポイントです。プライム会員でない場合でも、動画と合わせて5GBまで(Googleフォトの15GBより少ない)の無料ストレージが利用できます。
Amazonフォトを利用するかどうかの最大の分岐点は、「ご自身がAmazonプライム会員であるか、または加入する価値を感じるか」です。すでにお急ぎ便やPrime Videoなどの特典を利用している会員の方なら、追加費用ゼロで高品質な写真ストレージが手に入ることになります。
主な有料プランを比較検討するために、以下の表にまとめました。
| サービス | プラン (容量) | 月額料金 (税込) | 年額料金 (税込) | 主な特徴・備考 |
|---|---|---|---|---|
| Google One (Googleフォト) | 100 GB | 250円 | 2,500円 | 写真、動画、Gmail、ドライブ共通。家族と共有可能。 |
| Google One (Googleフォト) | 200 GB | 380円 | 3,800円 | 写真、動画、Gmail、ドライブ共通。家族と共有可能。 |
| Google One (Googleフォト) | 2 TB | 1,300円 | 13,000円 | 写真、動画、Gmail、ドライブ共通。VPN機能なども利用可。 |
| Amazon Photos | プライム会員 | (月額600円 or 年額5,900円) | (プライム会費) | 写真のみ容量無制限(非圧縮)。 動画は5GBまで。会費には他の全プライム特典を含む。 |
| Amazon Photos (動画・ファイル追加) | 100 GB | 250円 | 2,490円 | 動画・ファイル専用。写真無制限とは別枠。 |
| Amazon Photos (動画・ファイル追加) | 1 TB | 1,300円 | 13,800円 | 動画・ファイル専用。写真無制限とは別枠。 |
| Amazon Photos (動画・ファイル追加) | 2 TB | 2,600円 | 27,600円 | 動画・ファイル専用。写真無制限とは別枠。 |
この表から分かる通り、100GBプランではGoogle One(年額2,500円)とAmazonの追加プラン(年額2,490円)はほぼ同額です。しかし、容量が増えるにつれて価格差が開き、2TBプランではGoogle One(年額13,000円)に対し、Amazonの追加プラン(年額27,600円)は約2倍の価格になります。
Amazonフォトの「動画用ストレージ」に関する注意点
Amazonフォトの追加ストレージプランは、あくまで動画や写真以外のファイル用です。プライム会員は、この追加プランを契約してもしなくても、写真の保存は変わらず無制限です。 したがって、動画も大量に保存したい場合(5GB以上)、Google Oneの2TBプラン(年額13,000円)と比較して、Amazonの2TBプラン(年額27,600円)は非常に割高になる点に、最大限の注意が必要です。
プライム会員ではない場合の比較
もしAmazonプライム会員ではなく、単純に無料ストレージとして比較した場合、Googleフォト(15GB)の方が、Amazonフォト(5GB)よりも3倍の容量を提供しており、有利と言えます。
容量無制限と画質・圧縮、保存条件の比較
「容量無制限」という言葉は非常に魅力的ですが、両サービスでその条件は大きく異なります。また、大切な写真の品質に関わる「画質」の扱いについても、明確な違いが存在します。
Googleフォトの保存条件:画質と容量のトレードオフ
かつてGoogleフォトの最大の魅力であった「高画質(現在の「保存容量の節約画質」)での無制限アップロード」は、2021年6月1日をもって終了しました。この変更により、現在はアップロードするすべての写真や動画が、無料の15GB(またはGoogle Oneの契約容量)を消費するようになりました。(出典:The Keyword - Google Japan Blog)
ユーザーはアップロード時に、以下の2つの画質オプションから選択する必要があります。
- 元の画質: 撮影したカメラやスマートフォンの解像度・品質を一切変更せず、そのままのデータで保存します。当然ながら、ストレージ容量の消費は非常に早くなります。
- 保存容量の節約画質: 写真を1,600万画素に圧縮(リサイズ)して保存します。動画も1080p(フルHD)に圧縮されます。ストレージ消費を抑えられますが、元の画質からは劣化します。
「保存容量の節約画質」で圧縮された1,600万画素の写真は、スマートフォンの画面で見たり、SNSで共有したりする分には十分な品質を保っていることが多いです。しかし、元データが1,600万画素を超えている場合(最近の高画素スマホでは一般的です)、拡大表示したり、A4サイズ以上で印刷したりすると、画質の粗さが目立つ可能性があります。
Amazonフォトの保存条件:プライム会員の特権
Amazonフォトの最大の強みは、Amazonプライム会員であれば、写真を「元の画質」のまま「容量無制限」で保存できるという点に尽きます。高画素なスマートフォン(例:5,000万画素や1億画素)で撮影したデータや、デジタル一眼レフで撮影した高解像度のJPEGデータも、一切圧縮されることなく、そのままの品質で、枚数を気にせず保存し続けることができます。
大切な思い出の写真をオリジナルの品質で安全にアーカイブ(長期保管)しておきたいというニーズに対して、Amazonフォトは非常に強力なソリューションを提供します。
画質と容量の結論:何を優先するか
- Amazonフォト (プライム会員): 写真は非圧縮(オリジナル画質)で容量無制限。 → とにかく画質を劣化させたくない、写真の枚数が多い、という方に最適。
- Googleフォト: 容量は15GBまで無料(有料で追加可)。非圧縮(元の画質)か圧縮(節約画質)かを選択可能。 → 容量とコストのバランスを取りたい、動画やGmailなども含めて一元管理したい方に適しています。
写真の画質を一切劣化させずに、容量を気にせず保存したい場合は、Amazonフォトが圧倒的に有利です。一方、Googleフォトは有料プランを前提に、容量と画質のバランスをユーザー自身が決定する形となります。
動画の保存・バックアップはAmazonとGoogle、どちらが有利?
写真とは対照的に、動画の保存・バックアップに関しては、多くの場合Googleフォトに分があります。
前述の通り、Amazonフォトはプライム会員であっても、動画の無料保存枠はわずか5GBまでです。最近のスマートフォンでは4K動画の撮影も標準的になり、データ容量は非常に大きくなっています。例えば、iPhoneで4K/30fpsの動画を撮影すると、1分間あたり約170MB〜190MBを消費します。これでは、5GBの無料枠は30分程度の動画で埋まってしまう計算になり、バックアップ先としては心許ないと言わざるを得ません。
5GBを超えて動画を保存する場合、Amazonの追加ストレージプランを契約する必要があります。しかし、この追加プランの料金は、特に大容量帯(1TBや2TB)において、Google Oneの同容量プランよりも高額に設定されています(2TBプランで約2倍の価格差)。
一方、Googleフォト(Google One)は、契約したストレージ容量(例: 200GBや2TB)の範囲内であれば、写真と動画の区別なく柔軟に保存が可能です。例えば、Google Oneの2TBプラン(年額13,000円)を契約すれば、大量の写真と動画をまとめてバックアップでき、GmailやGoogleドライブの容量不足も同時に解消できます。
動画メインならGoogle Oneがコスト面で有利
動画のバックアップを重視する場合、Amazonの追加ストレージは割高です。写真の保存はAmazonフォトの無制限特典を利用し、動画は別の安価なサービス(例:Google One)に保存する、といった併用も考えられますが、管理が煩雑になる可能性があります。 写真も動画も大量にあり、それらをまとめて一つのサービスで管理したい場合は、Google Oneの大容量プランを契約する方が、トータルのコストパフォーマンスは高くなる可能性が高いです。
アルバム・共有機能の使いやすさを比較
ストレージは単なる「保管庫」ではなく、日常的に写真を見返したり、家族や友人と共有したりするための「アルバム」でもあります。この「使いやすさ」においても、両者には明確な差があります。
Googleフォトの強み:圧倒的なAI検索と「思い出」機能
Googleフォトの最大の強みは、Googleが誇る強力なAI技術を活用した検索機能と、それに基づく自動提案機能です。
- 高度な人物検索: 写真に写っている人物の顔を自動認識し、グループ化します。「AさんとBさんが一緒に写っている写真」といった複雑な検索も可能です。
- 被写体・場所・テキスト検索: 「犬」「海」「東京タワー」といったキーワードはもちろん、「先月のキャンプの写真」「スクリーンショット」「レシピ」といった曖昧な検索にも高い精度で応えてくれます。写真内の文字(OCR)も認識します。
- 自動提案(思い出・アルバム): 過去の同じ日付の写真や、旅行・イベントごとにベストショットをまとめた「思い出」を自動で作成し、スライドショーなどで提案してくれます。これが写真を見返す良いきっかけになります。
これらの機能により、ユーザーが手動で写真を細かく整理していなくても、目的の写真を簡単に見つけ出し、楽しむことが可能です。アルバムの作成や、特定の相手との共有リンクの発行も非常に直感的でスムーズです。
Amazonフォトの機能:堅実な管理と「ファミリーフォルダ」
Amazonフォトにも、Googleフォトと同様に人物認識(顔認識)や、被写体・場所によるキーワード検索(「木」「車」「山」など)の機能は搭載されています。アルバムの手動作成や共有機能も備わっており、バックアップ先としての基本機能は十分に満たしています。
しかし、検索の精度、速度、AIによる自動提案機能の豊富さや賢さにおいては、Googleフォトの方が一枚上手であるというのが一般的な評価です。
ただし、Amazonフォトには「ファミリーフォルダ」という独自機能があります。これは、プライム会員が最大5人までの家族や友人を招待し、メンバー全員が写真や(容量5GBまでの)動画を追加・閲覧できる共有スペースです。(出典:Amazon.co.jp ヘルプ)特定のメンバーと継続的に写真を共有し続ける場としては、Googleフォトのアルバム共有よりも便利な場合があります。
日常的に「写真を探して楽しみたい」「AIに整理を任せたい」というニーズが強いならGoogleフォト、「画質を落とさず、安全に保管しておきたい」「家族とだけ共有したい」というニーズが強いならAmazonフォト、といった使い分けも考えられますね。
RAWデータ・RAWファイルの保存に対応しているのは?
デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラで、より高品質な写真を求めてRAW形式で撮影を行う方にとって、RAWデータの扱いは非常に重要な問題です。
Googleフォトは、多くのカメラメーカーのRAWファイル(例:キヤノンの.CR3、ニコンの.NEF、ソニーの.ARW、汎用の.DNGなど)の保存と表示に対応しています。しかし、これらは「元の画質」として扱われるため、15GBの無料枠(またはGoogle Oneの契約容量)を瞬く間に消費します。1枚あたり数十MB(例:50MB)になるRAWデータを保存すると、無料の15GBではわずか300枚程度しか保存できない計算になり、現実的なバックアップ先とは言えません。
一方、Amazonフォトは、プライム会員であればこれらのRAWデータも「写真」として扱われ、オリジナル画質のまま容量無制限で保存が可能です。一部の特殊なRAW形式や、発売直後の最新機種のRAWファイルには対応していない場合もありますが、主要な形式はカバーされています。
RAWデータ保存はAmazonフォトの圧勝
カメラが趣味でRAW現像を行うユーザーにとって、追加費用なしで(プライム会費のみで)膨大なRAWデータを無制限にバックアップできるAmazonフォトは、他に代えがたい強力な選択肢となります。撮影したRAWデータをすべてAmazonフォトにアーカイブしておき、必要なものだけをPCにダウンロードして現像する、といったワークフローが実現します。
iCloudも比較 iPhoneユーザーに最適な写真ストレージの組み合わせは?
iPhoneユーザーの場合、標準の「iCloud写真」を利用している方も多いでしょう。iCloudは、iPhone、iPad、MacといったAppleデバイス間でのシームレスな写真同期に優れており、Live Photosや編集内容まで完璧に同期されるのが最大の強みです。しかし、無料枠はGoogleフォトの3分の1である5GBしかなく、ストレージの追加(iCloud+)は有料です(50GBで月額130円から)。
すでにiCloud+の月額料金を支払い続けているiPhoneユーザーにとっても、AmazonフォトやGoogleフォトは有効な選択肢となり得ます。
iPhoneユーザーにおすすめの組み合わせ
ご自身の状況に合わせて、以下のパターンが考えられます。
- パターン1:Amazonプライム会員の場合 (画質・コスト重視)
- iCloud (5GB無料枠 or 50GBプラン): iPhoneやiPad、Mac間での即時同期用(「最近の項目」や編集内容の同期)。iCloudの容量は最小限に抑えます。
- Amazon Photos (プライム特典): すべての写真(iPhoneで撮影したLive Photosや高画質写真、一眼レフのRAW含む)の長期的なアーカイブ(保管庫)用として活用します。
- パターン2:検索性を重視する場合 (Googleサービス利用者)
- iCloud: デバイス間同期用(必要に応じて有料プラン)。
- Google Photos (Google One): iCloudのバックアップ先、および検索性を活かした日常の閲覧・共有用アルバムとして活用します。
iCloudの容量を節約する使い方とその注意点
iPhoneのAmazon Photosアプリで「写真の自動保存」をオンにしておけば、撮影した写真は自動的にAmazonの無制限ストレージにバックアップされます。理論上は、バックアップ完了後にiPhone本体の写真を削除すれば、iCloudの同期対象からも外れ、iCloudストレージの節約につながります。
ただし、この操作には注意が必要です。iPhone本体から写真を削除すると、iCloudからも削除されます(「最近削除した項目」に一時保管されます)。Amazonフォトへのバックアップが本当に完了しているかを確実に確認してからでないと、大切なデータを失うリスクがあります。安全策としては、iCloudの「ストレージの最適化」機能を利用しつつ、Amazonフォトをあくまで「もう一つの保険的バックアップ」として運用するのが精神衛生上もおすすめです。
AmazonフォトとGoogleフォト【移行と併用】
- GoogleフォトとAmazonフォトを賢く併用するメリットと具体的な方法
- GoogleフォトからAmazonフォトへの移行手順(スマホ・PC)
- 移行時に写真が重複しないようにする設定と注意点
- AmazonフォトからGoogleフォトへデータを移行する方法は?
- AmazonフォトとGoogle フォトの最適な活用法を総括
GoogleフォトとAmazonフォトを賢く併用するメリットと具体的な方法
ここまで比較してきた通り、AmazonフォトとGoogleフォトにはそれぞれ明確な強みと弱みがあります。Amazonプライム会員であれば、「どちらか一方を選ぶ」のではなく、両方のメリットを最大限に活かす「併用」が非常に賢い選択となります。
最強の併用モデルケース(Amazonプライム会員向け)
このモデルの目的は、「写真の画質は一切妥協せず無制限に保存し、動画や検索性もコストを抑えて確保する」ことです。
- Amazon Photos (プライム会員):
- 役割: メインの「写真保管庫(アーカイブ)」。
- 保存対象: スマートフォンで撮影した写真、デジタルカメラのRAWデータなど、すべての写真。
- 設定: スマホアプリの「自動保存」設定で、「写真の自動保存」をオン、「動画の自動保存」をオフにします。
- 理由: オリジナル画質・容量無制限(写真のみ)という最大のメリットを活かすため。
- Google Photos (無料15GB or Google One 100GB/200GBプラン):
- 役割: 「動画の保管庫」および「検索・閲覧用アルバム」。
- 保存対象: Amazonフォトが苦手なすべての動画。および、GoogleのAI検索を活用したい一部の写真(例:特に見返したい家族写真だけ手動アップロード)。
- 設定: スマホアプリの「バックアップ」設定で、「動画」のみをバックアップするよう設定する(あるいは、写真も「保存容量の節約画質」でバックアップし、検索用と割り切る)。
- 理由: 動画ストレージのコストパフォーマンスと、圧倒的な検索機能のため。
このように役割分担を明確にし、スマートフォンのアプリ設定(Amazon Photosアプリ、Googleフォトアプリ)で自動バックアップの対象を「写真のみ」「動画のみ」と分けることで、両サービスの「良いとこ取り」が可能になります。写真は非圧縮でAmazonに無制限保存、動画はコスト効率の良いGoogle Oneに保存、といった理想的な環境が構築できます。
GoogleフォトからAmazonフォトへの移行手順(スマホ・PC)
現在Googleフォトに保存されているデータを、Amazonフォトの無制限ストレージへ移行する方法を具体的に解説します。データ量が数GB程度でない限り、安定した高速インターネット環境(有線LAN推奨)のあるPCでの作業を強く推奨します。
1. 【PC必須】Google Takeoutでデータを一括エクスポート
Googleフォトに保存されている全データをまとめてダウンロードするには、「Google Takeout」というGoogle公式のデータ書き出しツールを使用します。
- ブラウザで「Google Takeout」にアクセスし、データをエクスポートしたいGoogleアカウントにログインします。(出典:Google Takeout)
- 「エクスポートするデータを選択」画面が表示されます。デフォルトでは多くのサービスにチェックが入っているため、まず「選択をすべて解除」をクリックします。
- リストをスクロールし、「Googleフォト」だけにチェックを入れます。
- (オプション)「Googleフォト」の項目にあるボタン(「すべてのフォトアルバムが含まれます」など)をクリックすると、特定のアルバムだけをエクスポート対象に選ぶことも可能です。
- 画面下の「次のステップ」をクリックします。
- 「エクスポート先」は「ダウンロード リンクをメールで送信」を選択します。
- 「頻度」は「1 回だけエクスポート」を選択します。
- 「ファイル形式とサイズ」は、ファイル形式「.zip」、ファイルサイズ「10GB」や「50GB」など、ご自身の環境(PCの空き容量や通信速度)に合わせて選択します。データ量が100GBでファイルサイズ10GBを選んだ場合、10個のZIPファイルに分割されます。
- 「エクスポートを作成」をクリックします。
データの準備が始まります。データ量によっては、リンクがメールで送られてくるまで数時間~数日かかる場合があります。気長に待ちましょう。
2. PCでZIPファイルを解凍
準備完了のメールが届いたら、メール内のリンク、またはGoogle Takeoutの管理画面からZIPファイルをすべてPCにダウンロードします。ダウンロードが完了したら、すべてのZIPファイルをPC上で解凍(展開)します。解凍すると、写真や動画データが(多くの場合、年ごとやアルバムごとのフォルダに分かれて)展開されます。
アルバム情報(JSONファイル)について Google Takeoutで書き出されたデータには、写真や動画ファイル本体に加え、「.json」という拡張子のファイルが含まれていることがあります。これには、写真の撮影場所(ジオタグ)や説明文、所属していたアルバム情報などが記録されています。残念ながら、Amazonフォトは、このJSONファイルを自動で読み込んでアルバムを再構築したり、情報を復元したりする機能には対応していません。
3. Amazon Photosデスクトップアプリでアップロード
ブラウザからAmazon Photosにアクセスしてアップロードすることも可能ですが、数万ファイルにも及ぶ大量のデータを扱う場合は、Amazon Photosの公式デスクトップアプリの利用が最も安定しており確実です。
- PCにAmazon Photosデスクトップアプリをインストールし、Amazonアカウント(プライム会員)でログインします。
- アプリの画面(または指定されたアップロード用フォルダ)に、先ほど解凍した写真や動画のフォルダをドラッグ&ドロップします。
- アップロードがバックグラウンドで開始されます。データ量によっては完了まで数日かかることもあります。PCをスリープさせない設定にして、気長に待ちましょう。
スマホだけで移行を完結させる方法について
Google Takeoutで作成したZIPファイルをスマートフォンにダウンロードし、スマートフォンのファイラーアプリで解凍し、そこからAmazon Photosアプリでアップロードする、という手順も理論上は可能です。
スマホのみでの大量データ移行は非推奨
写真データが数GB程度であれば可能かもしれませんが、数十GB~数百GBに及ぶ場合、以下の理由からスマホのみでの移行は現実的ではなく、推奨されません。
- ZIPファイルのダウンロードと解凍のために、スマートフォンの空き容量がデータ量の2倍以上必要になる。
- ダウンロードとアップロードの両方で、膨大な時間とモバイルデータ通信量(または不安定なWi-Fi)が必要になる。
- バックグラウンド処理のOSによる停止、スマートフォンの発熱による処理中断など、失敗するリスクが非常に高い。
大切なデータを安全かつ確実に移行するためにも、必ずPCを使用してください。
移行時に写真が重複しないようにする設定と注意点
Googleフォトからデータを移行する際、「すでにスマートフォンからAmazonフォトに自動バックアップ済みの写真と、Takeoutからアップロードする写真が重複しないか」と心配になるかもしれません。
Amazonフォトの強力な「自動重複検出機能」
Amazon Photosには、アップロード時に自動で重複する写真や動画を検出する機能が標準で備わっています。ファイル名だけでなく、ファイルの内容(ハッシュ値など)を比較し、すでにライブラリに存在するデータと同一であると判断された場合、そのデータのアップロードは自動的にスキップされます。
そのため、Google TakeoutからダウンロードしたデータをそのままAmazon Photosデスクトップアプリでアップロードしても、すでにスマホからバックアップ済みのデータが二重に保存されることは基本的にありません。重複を恐れずに、安心してすべてのデータをアップロードできます。
重複や移行時の注意点
- Googleフォトで編集した写真: Googleフォト上でトリミング、色調補正、フィルター適用などの編集を行った写真は、元のオリジナル写真とは「別ファイル」として認識されるため、オリジナル写真と編集済み写真の両方がAmazonフォトに保存される可能性があります。これは移行後に手動で確認・整理する必要があるかもしれません。
- 動画の5GB制限: Takeoutのデータに動画ファイルが大量に含まれている場合、Amazonフォトの無料枠である5GBの上限に達するとアップロードが停止します。移行を続行するには、Amazonの追加ストレージプラン(有料)を契約するか、動画ファイルを除外してアップロードする必要があります。
AmazonフォトからGoogleフォトへデータを移行する方法は?
GoogleフォトからAmazonフォトへの移行とは逆に、Amazonフォトに保存した全データをGoogleフォト(Google One)へ移行したい場合、状況は非常に困難になります。
Google Takeoutのような、Amazonフォトの全データを一括でエクスポート(書き出し)する公式ツールは、現在のところ提供されていません。
したがって、Amazonフォトからデータを移行するには、以下のいずれかの方法(あるいは両方の組み合わせ)で、手動でデータをダウンロードする必要があり、膨大な手間と時間がかかります。
1. Amazon Photosデスクトップアプリからダウンロード
PCにインストールしたAmazon Photosデスクトップアプリを使用します。アプリ内でアルバムごと、または年別などで写真を選択し、PCのローカルフォルダにダウンロードします。この作業を、すべての写真データに対して繰り返す必要があります。ダウンロードが完了したら、PCからGoogleフォトのウェブサイトにアクセスし、データをアップロードします。
2. Amazon Photosのウェブサイトからダウンロード
Amazon Photosのウェブサイトにブラウザでアクセスし、アルバムや写真を選択してダウンロードします。ただし、一度にダウンロードできる枚数には制限がある場合が多く、数万枚の写真をこの方法で移行するのは現実的ではありません。
Amazonフォトからの「引っ越し」は非常に困難
数万枚、数百GBのデータをAmazonフォトから手動でダウンロードするのは、現実離れした時間と手間がかかる作業です。また、ダウンロード先のPCにも膨大な空き容量が必要になります。
Amazonフォトをメインの保管庫として利用し始めると、他のサービスへの乗り換え(引っ越し)は非常に困難になる、という「ロックイン効果」が発生しやすい点は、サービスを利用開始する前に認識しておきましょう。
AmazonフォトとGoogleフォトの最適な活用法を総括
最後に、Amazon フォトとGoogle フォトに関するこの記事の要点を、改めてリスト形式でまとめます。ご自身の環境(プライム会員かどうか)や、何を最優先するか(画質、コスト、検索性、動画容量)によって、最適な選択や併用方法は異なります。ぜひ、ご自身の使い方に合った活用法を見つけてください。
- AmazonフォトはAmazonプライム会員なら「写真」の保存が「オリジナル画質」で「容量無制限」
- Amazonフォトの無制限特典は写真のみで「動画」の無料枠は5GBまで
- Googleフォトは全ユーザーに無料15GBが提供され、超過分は有料プラン「Google One」の契約が必要
- Googleフォトの15GBはGmailやGoogleドライブと共有の容量
- 写真の画質を一切劣化させずに無制限で保存したいならプライム会員のAmazonフォトが最適
- Googleフォトは「保存容量の節約画質」(1,600万画素に圧縮)を選べば容量を節約できる
- 動画の保存はAmazonフォトの追加料金が割高なため、Google Oneの方がコストパフォーマンスが高い
- 写真の検索機能やAIによる自動分類(人物、場所、被写体)はGoogleフォトが非常に優秀
- Amazonフォトにも検索機能や「ファミリーフォルダ」機能があるが、AIの賢さはGoogleフォトに及ばない
- 一眼レフなどのRAWデータを無制限・非圧縮で保存できるのはAmazonフォトの大きな強み
- iPhoneユーザーはiCloudとAmazonフォト(写真保管庫)やGoogleフォト(検索・動画用)との併用が現実的
- 最強の併用術は「写真はAmazonフォト」「動画はGoogleフォト」と役割分担すること
- GoogleフォトからAmazonフォトへの移行はPCで「Google Takeout」を使うのが確実
- Amazonフォトには自動重複検出機能があるためTakeoutからの移行時に重複は少ない
- スマホだけでの大量データ(数十GB以上)の移行は失敗リスクが非常に高く非推奨
- Amazonフォトから他サービスへの一括データ移行(エクスポート)ツールは提供されておらず、移行は非常に困難









